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福竹

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東京都大田区東矢口1-17-11
03-3739-4064
17.30〜23
月休・月1回連休(月火)あり
2000円〜


お好み焼き。
店の人が一から十まで面倒みてくれるタイプの店。
ただ、最初にお断りしておくが、この店は相性悪いとかなり厳しい。もし行かれて自分と合わなくても文句の言いっこなしということであしからず。


ボクはお好み焼きの本場大阪に転勤で14年いて、お好み焼きをそれなりに食べてきたし、広島でもちょこちょこ食べてはいるが、ここのお好み焼きはその中でもトップクラスにうまいと思う。
でも、店として好きかどうかと聞かれると「気持ちが元気な時だったら好き」という微妙な答え方しか出来ない(笑)。そう、気持ちが元気な時でないとお母さんの独特なトークだけでお腹一杯になってしまいあまりお好み焼きを楽しめないのだ。
そういう意味でも、初めて行く人は注意。そーとークセがある店である。

たとえば。

たとえば男4人で行ったとき、3時間いて話せたのは計15分くらい。あとの2時間45分はずっと店のお母さんがお好み焼きを焼きながら能書きをしゃべり、それをうんうん聞きながら静かに食べていただけ(ちゃんと聞いてないと怒られる雰囲気がある)。そのくらいワンマンショーなのだ。お母さんが何かを取りに行った短い時間に「CMタイムですねぇ」とようやく4人で近況を話し合う。そんな感じ。ええと、でもまぁそのトークは話芸になっているので意外と楽しいのだけど。(※追記:この時は特にお母さんが絶好調だったことが後で判明。ここまでしゃべり続けるのは珍しい)

たとえば目の前の鉄板で焼けるお好み焼きにヘタに触ろうものなら、お母さん店のどこにいても飛んできて「いま何やった!」「まだ触ったらダメ!」と怒る。もしくは客に「じゃ、少しやってみ」と焼かせてみて10秒で「わかった。あなたの腕はぜーーーんぶわかった。もういい。今後一切触らないで」と叫ぶ。うはは。ええと、でも「笑える」ので大丈夫。口では怒ってるけど目は笑っている。

たとえば焼いている途中で「次、どうすると思いますか?」とお母さんから質問がくる。「んー、裏返す?」「違う! なーんにもわかっていない。ここで裏返したら熱っした空気が漏れちゃうでしょう!」と怒る。「わかった? じゃ裏返さないでこのまま焼いて、そうだな(柱時計見て)あの針が42分を指したら呼んで。1分早くても1分遅くてもダメ。あんたの責任だからね」と客のひとりを指さす。その人は緊張して時計を睨み続ける(笑)。ええと、でもそれはそれで楽しい時間。

たとえば「私はお好み焼きが大嫌い」とお母さんは言い切る。嫌いなのかよ〜と白けると「だからこそ上手に焼けるの」と言う。嫌いだからいろいろ焼き方を工夫し、素材が最高の状態になるようにするのだそうだ。そしてお母さんの半生記話になる。ええと、でも、ちょっと親密な気分になってほんわかするのです。


ま、もういいか。
でもね、上記のような言動を楽しんで、また来たいと思ってしまうくらいはその焼きの蘊蓄は納得のいくものだし(鉄板の温度調節。中の空気の大切さ、焼き加減の見分け方など)、そうやって焼かれた一品物もお好み焼きも大変おいしいのである。

特に焼きの技術がそのまま出る一品物。
はんぺん、砂肝、かぼちゃ、ハムステーキ、じゃがいもなどのうまいこと。

特にはんぺん。
ボクはここの「はんぺん」ほどうまい「はんぺん」を食べたことがない。
そう、単なるはんぺん。普通のはんぺん。でも鉄板上で細心に計算しつくしてバターで焼くそれは、たぶんあなたが知ってる「はんぺん」とは別物。「中の空気が膨らんで、こういう状態になるように焼くのよ」と細かい講釈を聞きながら客はじぃっと待たされる。はんぺん焼くだけで10分くらい待つ。
追いバターを何度やって焼き上がると「はい、今すぐ食べて!」と命令される。アワアワと急いで食べるとそれはもうビックリ。表面はカリッとしてるのに中はフワフワなカステラ状。すばらしい。
そのまま食べた後、青海苔とマヨネーズを和えたソースを鉄板状にチャチャチャと作ってくれて「次はこれで食べてみて」と言う。これもうまい。こういうちょっとしたオススメがこのお母さんは上手。

そんな調子で砂肝やかぼちゃ、ハムステーキ、じゃがいもなどを食べて(どれもうまいけど、バターたっぷりなので数値を気をつけている人には厳しいかも)、途中からお好み焼きもそこに加わる。それぞれの焼きに時間がかかるので、この時点でもう1時間半くらい経過しているだろう。

お好み焼きのオススメは、まずは「ふくたけ天」。
小麦粉をあまり入れないタイプ。細切りに切ったキャベツがきいていて、ふんわりシャクシャク。青海苔やかつおも大量投下。全体の香りのバランスとふんわり感が独特でとてもうまい。
ジャンクな「激カレー天」も捨てがたい。カレーの香りがしつつ、味はふんわり豊かに広がる。やはりジャンクな「ピザミックス」も妙にうまい。ふくたけ天とこれらを上手に組み合わせて食べると楽しい。

〆はやきそばかやきうどん。どっちもうまいが、どちらかというとやきそばかな。
鉄板全体にそばを広げて豪快に蒸気を出しながら炒めていく過程が楽しい。〆としては最高だ。

ま、あれだけ講釈聞かされたあとなので、多少舌にバイアスはかかっているかと思う。「なるほど確かにうまいかも」と思い込んでしまうみたいな。でも逆に「あれだけ講釈聞かされてこれかよ」となる危険もあるわけなのに、そういう印象にはならないのだから、まぁ立派なものだ。


ご家族でやられていて、ご主人は奥の厨房で下ごしらえ担当。
明るくていつもニコニコしている娘さんはお母さんと手分けしてテーブルで焼いている。この娘さんはとっても優しくて「もうホントにあんな母でスイマセン。お気を悪くされましたよね。あれで悪気はないんですよー」とフォローしながら焼いてくれる。この娘さんが自分のテーブル担当についてくれる場合もある。その場合は終始くつろげるだろうが、ちょっと物足りなくもあるかもしれない(なにしろお母さんのキャラが尋常ではないので)。

ちなみに、一品もお好み焼きもそれぞれ15〜20分くらい焼くので(お好み焼きは片面10分。返して7分)、急ぐ人には向かない。腰を据えてじっくり楽しもう。一品をとって、お好み焼き食べて、そば食べると、3時間くらい経っている。

言い忘れたけど、お酒は「焼酎抹茶割り」がよい。
焼きの前に「豆腐」を取ることも忘れずに。これにも一蘊蓄ある。
それと、どうせならいろいろ取りたいので4人以上で行く方が楽しめるかも(ひとテーブル4人座りだが、詰めれば6人座れないこともない)。ただしメンバー選択は慎重に。怒るタイプやイライラするタイプと同行すると困ったことになる(笑)

東急池上線蓮沼駅から歩いて3分。ごくごく普通の店構え。
まさかここが名店とは思わないような佇まいと立地。日本っておもしろいね。


06年9月初訪問。再訪2回。


福竹
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2007年01月07日(日) 10:10:18・リンク用URL

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