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LV3「パーク・ライフ」

吉田修一著/文藝春秋/1238円

パーク・ライフ
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今年度芥川賞受賞作。
基本的に著者の持つ描写力やリアリティの紡ぎ出し方、かすかな希望への謙虚な表現、などは好きである。好みの方向。
が、この短編に描かれている世界はちょっと物足りないのも確か。淡々とした日常と、その裏にリアルに存在する世界の動き(それも負に近いもの)の対比が特に物足りない。だから、あるスライス・オブ・ライフにしか見えてこない。ボクたちの日常はそういうバランスなのだ、ということはわかる。が、メタファー的なものでも良いから、確固たる対比がボクは欲しかった。描写やストーリーが良いだけに、逆に主題が明確に見えてこない。ラストもはぐらかしで終わっているように思えてしまう。ラストが、かすかで微妙な明日への希望であるなら、中盤にそれに対するものが欲しい。そんな印象。

独自の視点で日常を切り出すことには成功しているが、じゃぁこれが芥川賞かというとウームとうなるなぁ。一番大事な部分をはぐらかして書いているような印象がどうしてもぬぐえなかった。併載の短編「flowers」の構図のわかりやすさもどうなのかと思うが、こっちの方が印象は強かった。

2002年10月01日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

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