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「新・世界地図」

amazon副題は「直面する危機の正体」。
つまり、別に地図のお話ではなく、世界のパワーバランスがこれからどうなっていくか、そうなると世界地図はどう塗り替えられるのか、を、著者特有の懇切丁寧さ&本質を捉える視点で解き明かしてくれる本である。
9.11やアフガン爆撃後のパワーバランスをかなりのリアリティで説いてくれるので、影響されやすいボクなど、目から鱗が何枚も落ち、「えー、あのアフガン爆撃強行の裏には石油と麻薬の影が!」とか「中国ってこうなっているのかー、あやや、こりゃ怖い!」とか、素直に感嘆することが多かった。そしてこの本がいいのは、世界を分析しつつ、では日本はパワーポリティクス的にどうすればいいのか、をちゃんと提言しているところである。世界を分析して日本のやり方に苦情を述べ立ててお終いという本が数多くあるなか、きちんと自分の旗色を明確にしているのが気持ちよい。
なんか印象に残ったのは、細部の話であるが、「国連」という翻訳はおかしいというところ。
正確に訳すと「連合国」というのだ。そう言われればそうだ。ユナイテッド・ネイションズだもん。連合国の利益のためにある機関なのだ。それを「国連」と呼んだ時点で、なにか「世界的に良いことをする機関」というニュアンスが出てしまい、国連幻想まで起こる。連合国と考えれば、ずいぶん見方が変わるよね。急に世界的パワーバランスまで見えてくるではないか。つまりはこういう目鱗がいろいろ散りばめてある本なのである。ちなみに中国はちゃんと「連合国」と訳しているらしい。
2002年03月01日(金) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:時事・政治・国際
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