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LV4「分身」

東野圭吾著/集英社文庫/695円

分身
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1993年発行の著者初期小説。1年前にヒトからもらってそのまま本棚に置いていたが、ちょっと思いだして読んでみた。というか、わりと気になってはいたのであるが。

実は期待していなかった。著者特有の(「秘密」に通じる)甘ったるさが色濃く出ていそうな小説だったから。なんとなく北村薫の「スキップ」とかに通じる甘ったるさ。しかし、期待はいい方に裏切られた。章分けを細かくしたのも勝因。テンポよく筋が進み、リズムよく謎が氷解していく。読み出すと止まらず、一気に読んだ。

ただ、こういうミステリーに出てきがちの「政府黒幕」だの「それを指揮する黒ずくめの謎の男」だの「顔色の悪い研究者」だののステロタイプ・キャラの出現が物語を多少つまらなくしている。初期作品だから仕方ないが、ちょっと居心地が悪くなる。それと題名自体がネタばれなのが気になるかも。いい題名なのだが、読者は最初から展開が読めてしまう。そこらへんが惜しい本。

2000年11月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ミステリー

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