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LV4「嘘をもうひとつだけ」

東野圭吾著/講談社/1600円

嘘をもうひとつだけ
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この著者の頭の良さは「白夜行」で証明済みだけど、今回もなかなか頭がいいのである。
短編集なのだが、すべて犯人側の視点で描かれていて、犯人なのに犯人ではないような心理描写をしつつ、どの短編にもひとりの敏腕刑事加賀が関わってくる構造(一部、被害者視点もある)。この構造自体がなかなかに新しい。その刑事も、客観描写のみでキャラがしっかり立ち上がっており、上手である。

難を言えば、どの登場人物にもカタルシスを感じられないまま終わるところ。
つまり陰の主人公である加賀刑事は客観描写のみなので入り込めない。それぞれの短編の主人公にも、その心理描写のトリックもあって入り込めない。それがこの短編集を少し薄いものにしているのは確か。たぶん、加賀刑事をもうちょっと個性的に描いたりすることで解決されるのだろう。例えばフロスト警部とかコロンボ警部みたいに。でも、著者はわざとどこにでもいるような刑事にしたのだろう。ありそうな日常、も演出のうちだろうから。

2000年05月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ミステリー

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