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「白夜行」

amazonボディブローのように効いてくる作品だ。
ミステリーとしてもよく出来ているし登場人物の造形は見事だし土地の体臭みたいなものまでしっかり描かれていて感心させられるが、なにより主人公の二人の本当の関係をわざと描かず外堀から浮かび上がらせたその筆力が素晴らしい。
読後しばらくしてから彼らの苦しみみたいなものがじわじわ心の中に溢れ出す。読み終わった瞬間はちょっと物足りなさを感じるが、読者の読後の想像までへも著者はしっかり伏線を張っているのに後で気がつく。わざと答えを書いていない伏線などが読後に効きだすのだ。こういう頭の良さにボク弱いです。
前作「秘密」は映画化されたりして相変わらず評判だが、ボクはそんなに好きではない。でもこの「白夜行」はいいなぁ。辛気くさい題名だがこれも読後に納得が行く。手を取り合って白夜を行くふたりの姿が瞼の裏から離れない。削ぎきった文体も見事。そのうえすごいのは筋自体も削ぎきっているところ。うーん。こりゃ大化けする作家かも。直木賞も行けるのでは?
1999年09月01日(水) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:ミステリー
@satonao310