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「江戸前ずしの悦楽」

amazon副題が「次郎よこはま店の十二ヶ月」。
つまり銀座の名店「すきやばし次郎」から分かれた店を、著者が3年以上毎月一度通い続けて食べ続け、寿司の本質に迫っている本なのだ。面白い。
以前「すきやばし次郎 旬を握る」(里見真三著/文藝春秋)という本を読んだが、ああいう「取材本」よりもやっぱり個人の視点・味覚・感想が入った本の方が面白いよね。そういう好例ではないだろうか。特に味覚表現がとてもいい。素直で実感がこもっている。寿司が食べたくなる。あー、また個人的寿司ブームがきそうだよー。
水谷八郎という職人の素晴らしさもこの本の魅力。ただところどころに彼がタバコを吸うらしき記述が出てきているのが気になるな、個人的には。タバコを吸う人が握る寿司はなんとなく生理的に受け付けないから。
著者の本は「ミネラル・ウォーターで生まれ変わる」「東京名物」に続き三冊目だが、どの本も実に誠実。ただ、きちんと「自分」を出してきているのはこの本が初めてかもしれない。これからの動静が楽しみなひとり。ちなみに著者の本業は映画監督。
1999年12月01日(水) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:食・酒
@satonao310