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「シメール」

amazon直木賞候補にもなった前作「この闇と光」が非常に面白かったので、かなりの期待と共に読んだ新作。
前作同様、独特のゴシック・ロマン的作風で、一度中に入り込むとひんやりと薄暗く気持ちいいのだが、前作ほどのインパクトも発見もなく、ずいぶん拍子抜けしてしまった。出だし良し。中盤もなかなかいい。が、服部まゆみならここからもうひとつひねってくるだろう、とワクワクしつつ読む進めると、エンディングは「は?」の拍子抜け。ああいうラストにする意味はアタマではわかるものの、心は承知しないなぁ。例えば昭和初期にこの小説が発表されていたらあのラストでもいいのだけど、これだけ不可解なことが日常的に起きる平成の世にこれを読むと、やっぱりちょっと拍子抜けなのだ。
結果として、全体に冗長に感じられてしまったのも残念。ちゃんと削いで書いてあるのに、読み終わってみると薄く伸ばして書いてあるような印象が残る。うーむ。あと、重要な伏線であるテレヴィゲームとの関連も中途半端。きれいに納まると期待したのに。
2000年07月01日(土) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:小説(日本)
@satonao310