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LV0「愛という試練 マイナスのナルシスの告白」

中島義道著/紀伊国屋書店/1400円

愛という試練
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冒頭を少しだけ引用しよう。
「はじめから告白するが、『ひとを愛する』とはどういうことか、私にはよくわからない。私もいままでの人生で多少の男女を愛してきた(と思う)が、それがいかなる種類の愛に属するのかよくわからない。というより、さらに私は懐疑的であり、私ははたしてひとを愛することができるのか、私が愛だと思ってきたもの、体験してきたものは、じつは愛ではなく愛に似たほかの何かではないのか、という疑いを消すことができない」「これは抽象的な懐疑ではない。自分の中の深いところに巣くっている『自己愛』のおぞましさに悲鳴を上げているからである」

さて、この後、240ページに渡って、えげつないまでの私事の露出と内省と自慢と後悔と分析が続く。
著者がある種独特の哲学者であり、そこが好きで著作をかなり読んでいるボクではあるのだが、こういう「ゲロ」をヒトに見せるのはやっぱりどうかと思う。冒頭の自己分析は大いに共感できる部分もあり、ヒトが「愛」と呼ぶもののほとんどは「自己愛」だとボクも思ってはいるが、そこから深い精神的旅路が始まるのかと期待して買って、ゲロを見せられるのはたまらない。
表現とは、自分の中から出てくる吐瀉物を何かに昇華させて、ヒトが見るに足るものに変える作業をいうのではないのだろうか、などとちょっと思った。偉そうで申し訳ないのだけど。

2003年09月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:哲学・精神世界

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