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LV5「ウィーン・フィル 音と響きの秘密 」

中野雄著/文春新書/790円

ウィーン・フィル 音と響きの秘密
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クラシックにあまり興味がない人たちは共通してこんな疑問を思う。「なぜ同じ曲なのに指揮者とか演奏者とかが違うだけでマニアたちは騒いだり解釈がどうのと言うのだ? 楽譜通りに演奏しておけばいいのではないのか」。ある程度好きになってからでも、指揮者によるまとめ方の違いの意味やオケによる音色の違いの必然性などが見えなかったりする。
そういう疑問にすべて明解に答えを出すだけでなく、クラシック音楽とは何なのかということにも(結果として)すべて答えてしまっている本がこれ。別にQ&A本ではないのだが、結果的にすべてが書いてあるのだよ、この薄い新書に。

いやー、長年いろいろ疑問に思っていたことがコレ一冊でほとんど解けてしまった気分。
ウィーン・フィルに焦点を合わせてはいるものの、ほとんど「ウィーンフィルのエピソードを通してみたクラシックの魅力の秘密」みたいな感じ。楽団員のエピソードによって解き明かされていく指揮法の違いやその重要性、オケの音色や個性の成り立ち、これからのクラシック音楽の問題点など、これほど明解に解き明かしてくれる本はない。かといって難しい本ではない。クラシック初心者でも十分楽しめる。なにしろエピソードから解き明かしているので。

これを読むとひたすらクラシックが聴きたくなる。
それもフルトヴェングラーやボスコフスキー、ミトロプーロス、カラヤン。いままで何を聴いていたのだろう。もう一度ちゃんとすべての音楽を聴き直したくなってきた。表題が「ウィーン・フィル」としているので、マニアしか買わない可能性も高いが、それではもったいなさすぎる評論だとボクは思う。

2003年02月01日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:音楽

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