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「えんちゃん」

amazon副題に「岸和田純情暴れ恋」。
岸和田を舞台に様々な青春を描いてきた著者による最新刊は、著者の両親の恋を描いたバイオレンス純愛小説である。
著者特有の大仰すぎるギャグはちょっと身を潜め、全体的にとてもバランスの良い佳品に仕上がっているが、読者が主人公の俊夫の破天荒さに最後までカタルシスを感じられないのがちょっとだけ弱い。江美が俊夫にどうしようもなく惹かれていく過程にもう少し共感できれば、文体の勢いや素材の力もあって、もっともっといい小説になった気がする。残念だ。
たぶん、著者は過渡期にあるのだと思う。性描写や愛情表現の描写にまだテレがあるのは軽妙な文体を守っているせいなのだろうか。いっそのことハードボイルド的な重い文体にトライして新境地を開いて欲しいと、著者のファンであるボクは思うのだけど。
2000年05月01日(月) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:小説(日本)
@satonao310