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中場利一
「一生、遊んで暮らしたい」

amazon相変わらず著者の岸和田話はおもしろい。
週刊プレイボーイに連載したエッセイをまとめたもので、「岸和田少年愚連隊」に出てくる愛すべき登場人物がいろいろ出演するので、あのシリーズが好きな読者にとってはそれだけでも買いである。久しぶりに彼独特の暴力描写や筆致をボクは楽しんだ。
とはいえ、岸和田話はどうやっても「岸和田少年愚連隊」のパワーを超えられない弱みを持つ。
初作の勢いを短い連載エッセイで超えようというのがまず無理である。そして、週一連載ということで書き殴っている章もある。それも仕方がない。そう、著者の話はおもしろいのだが、質はどうしても落ちている。ま、この後、著者は創作に精力を傾けだしたらしいので、そちらに期待したい。というか、「バラガキ」を読もうと思って忘れていたよ。注文しよっと。
※というか、書いてから気がついたけど、ずいぶん前に同じ本の単行本を買って書いていた。二度買い。あらら。
2002年09月01日(日) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:エッセイ
「えんちゃん」

amazon副題に「岸和田純情暴れ恋」。
岸和田を舞台に様々な青春を描いてきた著者による最新刊は、著者の両親の恋を描いたバイオレンス純愛小説である。
著者特有の大仰すぎるギャグはちょっと身を潜め、全体的にとてもバランスの良い佳品に仕上がっているが、読者が主人公の俊夫の破天荒さに最後までカタルシスを感じられないのがちょっとだけ弱い。江美が俊夫にどうしようもなく惹かれていく過程にもう少し共感できれば、文体の勢いや素材の力もあって、もっともっといい小説になった気がする。残念だ。
たぶん、著者は過渡期にあるのだと思う。性描写や愛情表現の描写にまだテレがあるのは軽妙な文体を守っているせいなのだろうか。いっそのことハードボイルド的な重い文体にトライして新境地を開いて欲しいと、著者のファンであるボクは思うのだけど。
2000年05月01日(月) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:小説(日本)
「愚連」

amazon副題が「岸和田のカオルちゃん」。
「岸和田少年愚連隊」の超魅力的脇役カオルちゃん(男)が出ずっぱり。愛読者にとっては待望の「カオルちゃん特集」なのである。すげーうれしー。とにかくうれしー。
ただ、こうしてカオルちゃんの話をぶっ続けて読むと、カオルちゃんはやっぱり脇役でこそ、なのだなぁと思ってしまうところはある。他の話があって、たまにカオルちゃんがちらっと出てくる…その程度がほどがよいのかも。ちょっとTOO MUCHなのだ。表現もオーバーすぎてちょいとついていけない。笑えるんだけど、もうひとつ哄笑できない感じ。
著者の文章は大好きなのだが、ちょっと芸風を変えて違うテーマで書いた方がいい気もする。とはいえリクエストが多いのだろうなぁ。カオルちゃんはやっぱり魅力的だしなぁ。
1999年04月01日(木) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:小説(日本)
「一生、遊んで暮らしたい」

amazon大好きな作家になりつつある中場利一だけど、エッセイはイマイチかも。
著者自身、めちゃめちゃ戸惑っている。特に前半は目も当てられない。後半にはかなり持ち直し、調子を取り戻している。でも、あの小説で見せる才気やギャグのキレがあまり見られない。
多分、「喧嘩と遊びで暮らしている中場利一」という枠を自ら作ってしまっていて、その枠内でそういう中場利一を演じてしまっているのがおもしろくない要因だろう。そういう背景のもとで著者がどう感じ、どう生きているのかを読者は読みたいのに、その背景説明の域をあまり出てこないのがつらいところ。
小説もそう。そろそろ「喧嘩」という枠から出て書いてみたらどうかなと思う。才能はとてもあると思うのだけど…。
1998年10月01日(木) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:エッセイ
「どつきどづかれ」

amazon今月は中場利一を2冊読んだ。
クスリで著者が捕まってしまい「もうチュンバを読めないのか!」と嘆いたボクであったがなんとか新作を出してくれ、それだけで幸せ気分。そのくらいは著者が好きである。
副題は「岸和田ケンカ青春記」。
岸和田3部作の外伝みたいなものだ。岸和田シリーズのファンにとってはたまらないエピソードが続く。今月もう一冊読んだその3部作の完結編は父親のことを書いたせいかちょっと歯切れが悪いのだが、これは大丈夫。チュンバ節がしっかりよみがえっている。ただ厳しく言えば、昔より考えオチみたいのが少し多くなったかな。しょうがないんだけど。
これからもちゃんと書き続けて欲しい作家のひとり。
1998年08月01日(土) 12:00:00・リンク用URL
「岸和田少年愚連隊~望郷篇」

amazon「岸和田少年愚連隊」3部作の完結編である。
暴力と笑いバリバリのこのシリーズであるが、この完結編は父親のこと・家族のことを書いたせいかちょっと歯切れが悪い。おなじみの登場人物の幼少期やら小学生の頃の著者の姿が読めて面白いことは面白いのだが、なんかひとつ抜けきれていないところがあるのが残念。まぁ気持ちはわかるし、こういう傑作シリーズの完結編が多少ウェットになるのもわかる。収め方としてそっちの方が落ち着く場合もある。でも、このシリーズの場合は最後まで暴力と笑いバリバリで駆け抜けきって欲しかった。あの破天荒なまでの前2作の抜け方がない。うーん、ちょっと残念かな。
1998年08月01日(土) 12:00:00・リンク用URL
「岸和田少年愚連隊」「岸和田少年愚連隊-血煙り純情篇-」

amazon中場利一という人が雑誌「本の雑誌」の投稿の常連ということは知っていた。ほとんど毎月投稿欄に出ていたから。
で、投稿の常連が本出してもなぁ、と半分バカにして読まずにいたのだが2冊目が出たのを機会に読んでみたらこれがアナタすごいのなんのって、めちゃくちゃおもしろい本だった。
こんなに爆笑しつつ本読んだのはいつ以来だろう、のレベル。えてして肩に力が入りがちな2冊目(血煙り純情篇)も快調にこなし、独特の岸和田文体も定着。平明かつ深遠なる大爆笑シリーズとなったのだった。部分部分、「え、このあとどうなったのだ!?」とイライラさせるところもあるのだが、そんなの差し引いても十分三ツ星級。必読。早く3作目が読みたい。
1996年05月01日(水) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:小説(日本)




