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「わたしのグランパ」

amazon著者にとっては「時をかける少女」以来のジュブナイル(少年少女小説)。「時をかける少女」は大好きだったからかなり期待して読んだ。
読んですぐ思ったのは「筒井康隆は夏目漱石の『坊ちゃん』を歳とらせてみたかったのかな。そして彼に平成の街を歩かせてみたかったのかな」ということ。
古き良き昭和(明治?)の殻をお尻に残しているような任侠ジジイを平成の孫娘と触れあわせてみることで、著者は、姿勢が良かった頃の日本と姿勢が悪くなり始めている日本を接触させてみたのだと思う。一本筋が通っている生き方。そういう生き方をこの時代に提示したかったのかもしれない。
夏目の「坊ちゃん」がわりと素っ気なく終わるように、この本も素っ気なく終わりを迎える。なんだかこのジジイともっとずっと一緒にいたかった感じの物足りなさ。中学生の描写もありがちかつ性善説的で気恥ずかしい部分が多い。そういう意味ではどうかなぁと思ったが、ジジイの存在はとても印象的で素晴らしい。人物造形の勝利だろう。
1999年11月01日(月) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:小説(日本)
@satonao310