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「コットンが好き」

amazon高峰秀子のエッセイを読んだことある人はみんな、彼女が『捨てる人』であることを知っている。
身辺を整理しすぎるほど整理して、シンプルに生きていることを知っている。その中で彼女が捨てていない(捨てられない)小物たちを集めて、その写真とともに小文にしているのがこの本である。指輪、はんこ、飾り棚、腕時計、風呂敷、台本……著者が思い出とともにそれらを語るわけ。著者ファンなら見逃せないでしょ?
とても滋味溢れた名文揃い。
実は1983年に出された単行本の復刻版文庫なのだが、2002年(ほぼ現在)に書かれた「あと書き」も瑞々しい。彼女は鴨長明みたいな暮らしと精神性に憧れているようだが、ボクにとっては彼女の生き方こそ憧れだ。女優業のときの栄光を捨て、身丈にあったシンプルな暮らしを心がけ、人の評価などどこ吹く風と自分の生き方を貫いている潔さ……。人気稼業にいた人で、歳取ってもなかなか「人気の魔力」から逃れられない人がいるが(人気稼業ではなくても、他人の評価で自分の価値を決めている人は多い)、そこともっとも離れたところで生きている彼女。見習いたし。
2003年05月01日(木) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:エッセイ
@satonao310