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「ボーダーライン」

amazon真保裕一待望の新作。
カリフォルニアを舞台にめちゃめちゃハードボイルドな探偵小説を書き上げた。
日本在住の作家とは思えないその筆致、リアリティ、会話、展開、それぞれ見事であるが、名作「ホワイトアウト」に見られたような「迫力&圧倒的ストーリーテリング」みたいなものが感じられないのは何故だろう。彼の地の気候にも似た乾いた筆致にこだわりすぎたか。細部とストーリーテリングとのバランスが悪いのか・・・。いや、たぶん、後半に出てくる「犯罪者は先天的に出来上がっているのか、それとも教育か、または環境ホルモンか、キレる若者の精神構造はどうなのか」的な長い議論が全体のストーリーを邪魔しているのだ。説明不要な部分に思えたが…?
見事な重層構造でしっかり読ませるのだが、ちょっとだけ理屈っぽすぎるのが弱い。彼自身がいまボーダーラインにいるのかもしれない。
1999年10月01日(金) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:ミステリー
@satonao310