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「小さき者へ」

amazon先月も書いたが、重松清は好きだけどあまり読みたくない。これも買い置きしてなかったら読まなかったかも。でもやっぱりこういう家族短編ものはうまいなぁ。どちらかというと先月読んだ「ナイフ」の方が数倍印象的だが、これはこれでちゃんと面白い。
全体にあざといと感じる部分も多い。
たとえば表題作「小さき者へ」。引きこもり&家庭内暴力に荒む息子への父からの手紙の形式をとっている。難しい題材だと思うし難しい方法で敢えて書いたんだなとも思うが、泣かせに入った部分があざとくてボクはちょっとついていきにくい。リアリティももうひとつ。同じようなあざとさを感じる部分が他の短編にもあり、読んでいてそこらへんが照れくさくなるので、ちょっとつらい。
ただ、浅田次郎がそうだったように著者もほぼ確信犯なので、これはボクがどうのこうの言う部分ではないだろう。ちゃんと読者を泣かして明日への勇気を与える。その目的は果たされていると思う。つか、泣いたし(笑)。収録短編の中では「団旗はためく下に」が特に泣ける。ここの中で書かれている「応援ということの意味」こそ、重松清の執筆姿勢なのだと思う。そう言う意味で著者にとっての重要作かも。
2003年01月01日(水) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:小説(日本)
@satonao310