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「夜の姉妹団」

amazon副題が「とびきりの現代英米小説14編」。
お馴染みのミルハウザーやレベッカ・ブラウンをはじめとして、あまり知られていない短編作家たちまで、編者が趣味で集めたオムニバス短編集。雑誌「エスクァイア」への連載をまとめたものだが、連載条件は「編訳者の好きなもの」ということだけだったらしく、編訳者は非常に乗って訳している。柴田元幸訳にハズレなし、というボクの信頼に応えてくれる名短編集である。
表題の「夜の姉妹団」そして続く「結婚の悦び」の二編を読んでまず圧倒される。
この後はもう編者の思うつぼ。それぞれ構成に凝った確信犯的短編がこれでもかと登場し読者を唖然とさせ感動させる。ラストの「北ロンドン死者の書」まで息もつかせない(中には相当変なのもあって少々困る場合もあるが)。こういう完成度が高く想像力も高く仕掛けレベルも高い短編群を読むと、日本の、ただ日常の小さな気持ちを書きつづっただけの短編たちがいかに「なんとなく書かれているか」がよくわかる。エッセイ的小説と本当の小説の違いをまざまざと見せつけられた思いである。
短編をひとつ読み終わるたびに、日常が異化され、違って見えてくる…そんな小説に年いくつ出会えることだろう。そういう小説をまとめて提供してくれた柴田元幸に拍手である。いや、面白かった。
2001年12月01日(土) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:小説(海外)
@satonao310