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「アメリカ文学のレッスン」

amazon柴田元幸が雑誌「本」で連載していた「アメリカ文学講義ノート」に加筆修正し、改題したもの。
ボク自身は、講義とかレッスンとかいう題名は内容を言い表していないと思う。確かに読むに従いアメリカ文学の全貌が文学史と違う側面から浮かび上がっては来るのだが、これは決してレッスンではない。「アメリカ文学を通してみた人の世」であり「アメリカ文学によって表される人生の諸相」を著者の視点で突っ込んで考えていったものである。
かなり面白いのだが、レッスンとエッセイの中間といった感じになってしまい、中途半端感があるのが残念。もっと生き生きとしたエッセイにしてほしかったなぁと思う。アメリカ文学についてある程度背景をわかっている層に対してのちょっと高度なおもしろエッセイみたいのが読みたかった。
読んでくると彼は意外とレイモンド・カーヴァーに刺激されているのがわかる。カーヴァーの代表的翻訳者は村上春樹だが、柴田元幸の訳も読み比べてみたいと思わせる。作家が訳すのとはまた違ったミニマリズムの特徴がそこに表出してきそうだからである。「アフリカの日々」に代表的訳がふたつあるように、カーヴァーにも欲しい。
2000年06月01日(木) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:評論
@satonao310