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「檀」

amazonこの本を読んだ人は必ず「火宅の人」が読みたくなると思うのだが、読むとまた必ずがっかりすると思う。もうこの本自体が「火宅の人」の面白さを越えているからだ。
檀一雄の一代記をその二人目の妻ヨソ子を通して語った本書は、フィクションでもありノンフィクションでもあるような不思議な文体で書かれており、読み終わると結局だれにもカタルシスを感じられないもどかしさがある。遠近感がつかみにくいのだ。だがその文体自体がヨソ子の性格を表しており、読者は自然に「ヨソ子による世界」に導かれていくわけで、これはもう達人技と言ってもおかしくないうまさなのだ。
1996年01月01日(月) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:自伝・評伝
@satonao310