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「国境」

amazon先月、東野圭吾のサイトの中で「黒川博行の『切断』、『封印』、『疫病神』、『国境』は傑作」と書かれていると書いた。で、先月は「疫病神」を読んだ。今月は「国境」である。「疫病神」の二宮と桑原が、今度は北朝鮮の国境を破る羽目になり、またコンビを組む。この強烈な個性のコンビが復活すると聞いただけで読みたくなる。著者はとてもいいキャラを発掘したなあ。
抱腹絶倒感やシズル感は前回の方が強いが、なにしろ主な舞台は北朝鮮である。未知かつ不可思議な国である。その異様さをちゃんと描写しながら物語は進むのだが、これがとてもリアルに描かれていて、空気感までしっかり伝わってくる。それだけでもこの本は買いだ。理解できないもの(北朝鮮)への根元的恐怖が行間からじっとり伝わってくるのである。そして読み終わる頃にはなんとなく北朝鮮を知った気になる。
前作同様、犯罪の背景が入り組んでいてとてもわかりにくい。説明も長いしシンプルではない。前後関係を理解するのにそれなりの集中力もいる。そしてそこに北朝鮮の現状描写が入るから非常にまどろっこしい。でも、それを上回る魅力が作品中に溢れているのも前作と一緒。キャラの立ち方をはじめ、ギャグ的センス、コンビの絶妙な絡みなど、かなり面白い。ヤクザものがお嫌いな人でも楽しめるはず。わりとオススメ。
2002年04月01日(月) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:ミステリー
@satonao310