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黒川博行

LV5「国境」

黒川博行著/講談社/1900円

国境
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先月、東野圭吾のサイトの中で「黒川博行の『切断』、『封印』、『疫病神』、『国境』は傑作」と書かれていると書いた。で、先月は「疫病神」を読んだ。今月は「国境」である。「疫病神」の二宮と桑原が、今度は北朝鮮の国境を破る羽目になり、またコンビを組む。この強烈な個性のコンビが復活すると聞いただけで読みたくなる。著者はとてもいいキャラを発掘したなあ。

抱腹絶倒感やシズル感は前回の方が強いが、なにしろ主な舞台は北朝鮮である。未知かつ不可思議な国である。その異様さをちゃんと描写しながら物語は進むのだが、これがとてもリアルに描かれていて、空気感までしっかり伝わってくる。それだけでもこの本は買いだ。理解できないもの(北朝鮮)への根元的恐怖が行間からじっとり伝わってくるのである。そして読み終わる頃にはなんとなく北朝鮮を知った気になる。

前作同様、犯罪の背景が入り組んでいてとてもわかりにくい。説明も長いしシンプルではない。前後関係を理解するのにそれなりの集中力もいる。そしてそこに北朝鮮の現状描写が入るから非常にまどろっこしい。でも、それを上回る魅力が作品中に溢れているのも前作と一緒。キャラの立ち方をはじめ、ギャグ的センス、コンビの絶妙な絡みなど、かなり面白い。ヤクザものがお嫌いな人でも楽しめるはず。わりとオススメ。

2002年04月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ミステリー

LV5「疫病神」

黒川博行著/新潮文庫/667円

疫病神
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東野圭吾のホームページの中の作家紹介に「黒川博行は、読んで絶対に損はないと、自信を持って勧められる作家である。中でも、『切断』、『封印』、『疫病神』、『国境』は傑作。これだけ褒めておけば、向こうもどこかでお返しをしてくれるかもしれないな。」とか書いてあり、未読の作家というか、実は知らなかった作家だったので妙に気になり、一番評判が高いらしい「疫病神」から読んでみた。そしたらなかなかのアタリだったのである。

基本的にヤクザ小説なのだが、しっかりした下調べと思わず笑ってしまう大阪弁会話の妙で、なかなか良い。キャラもしっかり立っていて、ヤクザ的リアリティもしっかりある。ただ、著者はかなり理屈っぽいのだろうか、めちゃくちゃ細かいプロットで、全体の犯罪構造を理解するのに大変苦労する。まぁそれも全体に漂う雰囲気とリアリティで許せてしまうのだが、もうちょっとシンプルになっていたらより人気が出た本だろう。

桑原というキャラは実に魅力的だ。主人公の二宮との疫病神コンビを使って続編「国境」を書いているようなので、来月はこれを読んでみよう。また彼らに会えるのが楽しみである。

2002年03月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ミステリー

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