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「真鶴」

amazon文学を読む楽しさを心ゆくまで味わわせてくれる名作。美しく、そして怖く、なんとも不思議な物語なのだが、この小説世界から離れがたい気持ちを起こさせてくれる。
川上弘美は新鉱脈を掘り当てたのかも。
「蛇を踏む」のころのちょっとおどろおどろしい異化の表現と、「センセイの鞄」にあるような性善説的ホンワカ感とが見事に融合してきて、なんというか、川上弘美にしか書けない地平が目の前にぐわーーっと広がっている感じを受ける。マジで舌を巻いた。
言葉の選び方や会話の描き分けの鮮やかさ、ひらがなと漢字の使い分け、浮遊感と現実感の出し入れなど、細かいところまで計算しつくされ、前半と後半では手触りまで違い、うわぁと圧倒された感じ。ルビの出し入れにまで技を感じる。でも技がわざとらしくなる寸前で止めている。この辺の微妙なセンス。素晴らしいなぁ。
2007年02月15日(木) 23:47:24・リンク用URL
ジャンル:小説(日本)
@satonao310