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「華胥の幽夢 ~十二国記」

amazon「かしょのゆめ」と読む。現代日本が誇る名作、とそろそろ断言してもいいであろう十二国記シリーズの最新作にして、十二国記初(だったと思う)の短編集である。
十二国記ファンにとって、周辺エピソード満載の短編集はうれしすぎ、ワクワクして読んだ。ただ、シリーズが長大なのでもう忘れてしまっているところも多く、幾多の個性的登場人物たちのつながりがわからなくなっていたりして、楽しみも半減。全巻再読したいよ~。嗚呼どこかのんびりできる温泉でも行って十二国記全巻を再読したい、というのがボクのささやかな夢なのだ。
長編と短編では使う筋肉が違う、と言ったのは村上春樹だったか。十二国記の長編執筆の合間にこうした短編を書き上げるのは著者にとってなかなかたいへんな頭脳労働だったと思う。が、基本的に著者は長編作家なのだな、とこの本を読んで思う。短編なのだが、長編的構成のものが多く、展開の仕方も長編っぽい。特に表題の「華胥」などは長編的ストーリーで、助走やエピローグがない分、逆に冗長感やお説教くささが出てしまった。こういう展開の仕方は長編の方が向いている。
それにしても著者は泰麒が好きなのだなぁ。長編、外伝などを含めて、泰麒のエピソードがパズルをはめるように次々出来上がっていく。次の長編も泰麒編の続編のはずだから、この短編はその予告編にもなった感じだ。
2001年08月01日(水) 12:00:00・リンク用URL
@satonao310