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小野不由美

LV5「華胥の幽夢 ~十二国記」

小野不由美著/講談社文庫/648円

華胥の幽夢(ゆめ)―十二国記
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「かしょのゆめ」と読む。現代日本が誇る名作、とそろそろ断言してもいいであろう十二国記シリーズの最新作にして、十二国記初(だったと思う)の短編集である。

十二国記ファンにとって、周辺エピソード満載の短編集はうれしすぎ、ワクワクして読んだ。ただ、シリーズが長大なのでもう忘れてしまっているところも多く、幾多の個性的登場人物たちのつながりがわからなくなっていたりして、楽しみも半減。全巻再読したいよ~。嗚呼どこかのんびりできる温泉でも行って十二国記全巻を再読したい、というのがボクのささやかな夢なのだ。

長編と短編では使う筋肉が違う、と言ったのは村上春樹だったか。十二国記の長編執筆の合間にこうした短編を書き上げるのは著者にとってなかなかたいへんな頭脳労働だったと思う。が、基本的に著者は長編作家なのだな、とこの本を読んで思う。短編なのだが、長編的構成のものが多く、展開の仕方も長編っぽい。特に表題の「華胥」などは長編的ストーリーで、助走やエピローグがない分、逆に冗長感やお説教くささが出てしまった。こういう展開の仕方は長編の方が向いている。

それにしても著者は泰麒が好きなのだなぁ。長編、外伝などを含めて、泰麒のエピソードがパズルをはめるように次々出来上がっていく。次の長編も泰麒編の続編のはずだから、この短編はその予告編にもなった感じだ。

2001年08月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ファンタジー , 児童・ティーンズ

LV5「黄昏の岸 曉の天」

小野不由美著/講談社文庫/714円

黄昏の岸 暁の天―十二国記
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十二国記シリーズ5年ぶりの新刊である。
リアルタイムでこの名シリーズが継続していく幸せよ! 読み始めればそこはもう小野不由美ワールド。美しい漢字と想像力の羽ばたき、オーバーすぎない会話、キャラ設定の絶妙、すべてがバランス良く連関し合って、見事な世界を築いているのである。

とはいいつつ、この巻ではちょっと散漫な部分も見える。人民の苦しみや謀反者の心の動きや汕子らの変容など、書き込んだら物語により深みが出そうな部分がいろいろ抜けているのだ。でもまぁもしかしたらこれは次巻への伏線かもしれないな。どう考えてもこの巻の続編は出るだろうから。

いままでの既刊をすべて読みなおしてから読みたくなる気持ちを抑え読み始めたから(だって時間ないんだもの)、最初は泰麒や陽子のキャラを細かく思い出せなくて苦労した。なんとかはなったが、もう一度アタマからシリーズを再読したい気持ちは変わらない。

あぁ、いまからこのシリーズを初めて読み出す人が本当にうらやましい。
人生にまだ十二国記を初読する喜びが残されているなんて!(初めての人はこの巻からではなく、最初の「月の影 影の海」から続けて読んでね)

そういえば、この巻ではシリーズで始めて、「天」という神についての言及をしている。これがどんな展開を示すのか、今後も興味は尽きない。

2001年05月01日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ファンタジー , 児童・ティーンズ

LV4「東亰異聞」

小野不由美著/新潮文庫/590円

東亰異聞
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あぁ、まだ「屍鬼」読んでいないなぁ、と思いつつ、文庫化されたこれを先に読んだ。
相変わらずの小野不由美ホラーだが、江戸の情緒が満天に残る異次元の東亰(とうけいと読む)の書き込みが素晴らしく、読者は「まだ夜が夜であった頃の大都市」へしっかりワープ出来る。さすがな描写力だ。ミステリーであり幽霊物でもあるのだが、そんなことより異次元東京の夜を著者と一緒に徘徊できる魅力の方が上だろう。

残念なのは「東亰」を舞台にした分だけ読者は最初からあまりミステリーと思っていないのだ。怪談的な物とミステリー的な物の中間な気分で読み進むから、ラストとかが逆に中途半端に思えてしまう。どうせなら舞台設定を本当の明治東京にすれば良かったのに、と思うのだが。

1999年08月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ミステリー , ホラー

LV4「魔性の子」

小野不由美著/新潮文庫/552円

魔性の子
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「十二国記」の外伝が新潮文庫から出ていたとは知らなかった。メールで教えてくれなかったら読まなかっただろうなぁ。

内容は…「十二国記」だから面白くないわけがない。文句なし。というか「十二国記」ファンには感涙もの。
ただ、これ「十二国記」を読んでない人が単独で読んでわかるのだろうか。充分面白いとは思ってくれるだろうけど内容的にイマイチ納得がいかないままに終わるのではないだろうか。新潮文庫のための書き下ろしらしいが、なんだかそこがとても気になった。
よい子のみんなは「十二国記」を全部読んでから読みましょうね。ゾクゾクが違います。

1998年08月01日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ファンタジー

LV3「過ぎる十七の春」

小野不由美著/講談社X文庫/580円

過ぎる十七の春
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ファンタジー・ホラーとでも呼ぶのだろうか。人里離れた山奥での幽霊もの。十二国記シリーズではまりまくった小野不由美はこういうホラー系もいろいろ書いている。というか、そっちがドメインなのかも。

なにしろホラー嫌いなものでこうしてよっぽど気が進まないと読まない。ということで、今回は気が向いたので手にとった。面白かった。怖さはほどほどでボクにはちょうど良かった。
ただ、人物造形が少々甘ったるい部分がある。でもこれは「講談社X文庫ホワイトハート」という少女向け文庫のためもあろう、仕方がないんだろうな。また気が向いたら他のも読む気になるくらいは楽しめた。

1998年07月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ホラー , 児童・ティーンズ

LV5「月の影 影の海」「風の海 迷宮の岸」「東の海神 西の滄海」「風の万里 黎明の空」「図南の翼」

小野不由美著/講談社X文庫/順に、上下各500円、上下各420円、580円、上下各620円、680円

月の影 影の海〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート
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「十二国記シリーズ」を一気に読んだ。

小野不由美の評判はずいぶん前から聞いていたんだけど、読んでその魅力がよくわかった。
まぁ一言で言えば東洋風ファンタジーなんだけど、さとうさとるの「コロボックル・シリーズ」に匹敵する出来。「ナルニア国物語」と「ゲド戦記」と「ネバーエンディングストーリー」と「時をかける少女」を足して4で割って東洋風にしたような作りで、設定も筋もキャラクター造形もどれをとっても秀逸。

そのうえ、若年層向け文庫シリーズだけに若者に対するメッセージも平易に気持ちよく織り込まれていて、それがまた通り一遍ではない。著者は平易な語り口で深い教訓をしっかり与えている。ある意味で作家の鑑なのである。うん、ベタボメ。難を言えば題名がみな似たり寄ったりで読む気が起こらないこと。これは本当に残念だ。これから読む人は一巻目の「月の影 影の海」からどうぞ。

物語と関係のないことを言えば、今まで本を読んできてこんなに「漢字」を美しいと思ったことはなかった。
本当に「漢字って美しい。すばらしい」と読んでいて思わせる。それを実感するだけでもこのシリーズは読む価値がある。

それと個人的には、あとがきで「ゾラック」が出てきたのがなんだかうれしかった。それについてはこちら

1998年03月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ファンタジー , 児童・ティーンズ

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