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「東亰異聞」

amazonあぁ、まだ「屍鬼」読んでいないなぁ、と思いつつ、文庫化されたこれを先に読んだ。
相変わらずの小野不由美ホラーだが、江戸の情緒が満天に残る異次元の東亰(とうけいと読む)の書き込みが素晴らしく、読者は「まだ夜が夜であった頃の大都市」へしっかりワープ出来る。さすがな描写力だ。ミステリーであり幽霊物でもあるのだが、そんなことより異次元東京の夜を著者と一緒に徘徊できる魅力の方が上だろう。
残念なのは「東亰」を舞台にした分だけ読者は最初からあまりミステリーと思っていないのだ。怪談的な物とミステリー的な物の中間な気分で読み進むから、ラストとかが逆に中途半端に思えてしまう。どうせなら舞台設定を本当の明治東京にすれば良かったのに、と思うのだが。
1999年08月01日(日) 12:00:00・リンク用URL
@satonao310