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「T.R.Y.」

amazon「横溝正史賞史上最高傑作!」と帯にある。
うん、確かに面白かった。でもこれが圧倒的に最高傑作とされてしまう横溝賞って……?って感じは残るなぁ。
革命に翻弄される詐欺師の物語なのだが、その詐欺のプロットは見事だしキャラ造形も上手。なのになぜかあまり印象に残らない。文体かなぁ。主人公にいまいちカタルシスを感じられない部分かなぁ。ストーリーの面白さと細部の存在感がどこかで乖離している気がするのだ。それと、革命につきものの「恋」の部分がないのが物足りない。ここにも主人公にのめり込めない要因があるのかも。
それともうひとつ。題名はもともと横溝賞に応募した題名「化して荒波」の方がまだいいかも、と思った。「T.R.Y.」では何もわからない。何も伝わらない。ちょっと残念。
1999年09月01日(水) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:ミステリー
@satonao310