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「南の島のティオ」

amazon南の小さな島で暮らすティオという少年の物語。
小さな物語を集めた本で、気楽に手軽にゆったりした島時間に浸れる。欺瞞的忙しさに追われる都会の日常からほんの数分逃避するには格好の本であろう。
描写が非常に自然。読んでいてどこにもつっかえるところがないし、ひっかかるところもない。一番難しいそういう技をなにげなくやっている著者の力量を感じる。そして、著者が沖縄に住んでいるところから来る問題意識もそこここに感じた。失ってしまったらもう元には戻らないもの、時間・精神・自然・精霊……そういったものを豊かに物語の中に棲ませ、違う方向へ行こうとしている現代人にそれらを思い出させる要素を散りばめている。とても好感が持てるのはそれが声高な主張ではないこと。しっかり物語の底に沈ませている。
第41回小学館文学賞を受賞している。
2002年06月01日(土) 12:00:00・リンク用URL
@satonao310