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「新世紀へようこそ」

amazon著者が9.11のテロ事件を受けて始めたメール・マガジンのコラムを収録したもの。
著者のサイトでもほぼ同じ内容が読めるが、やはり本の方が目的のコラムを探しやすく、寝ながら読めるのでボクには便利。読者の反応もきっちり載っていて、著者のそれに対する反省や反論も誠実に書かれていてわかりやすい。なにしろ毎日のように書かれているコラムなので、作家の思考構築過程も浮き彫りになっているのが面白い。推敲や論を寝かすということができない分、かなり日々の本音が出てきていると思う。そういう環境の中でこれだけ冷静で客観的な文章を出し続けられるあたりに、著者の真の力が見える。さすがだ。
2001年9月11日にボクたちは真の意味で新世紀を迎えた。この意識が題名になっている。
世界は変わった。変わり続けている。週刊誌や月刊誌ですら、もう発言が追いつかない。この想いが著者にメルマガを書かせたようだ。著者にそこまで焦燥感を持たせたもの。著者に表現手段として評論や小説ではなく「ひとりの人間としての発言」を選ばせたもの。それを考えるとき、ボク自身としても、生き方を試される気持ちになる。読みながら、ボクはのほほんと何をやっているのだろう、と何度も自分に拳を向けた。
2002年04月01日(月) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:時事・政治・国際
@satonao310