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LV5「宮殿泥棒」

イーサン・ケイニン著/柴田元幸訳/文藝春秋/2200円

宮殿泥棒
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柴田元幸の翻訳したものにハズレなし(彼自身のエッセイはときどきはずれるが)! 
ということで、今回もはずれなかった。中編4つ。それぞれ「普通の人」の心の動きを細かく追って、ストーリーテリング小説ともシチュエーション小説とも違うカタチでまとめあげており、実に奥深いいい出来の小説集だ。なんというか小市民的感情の動きが実に上手に描かれている。そして身につまされる。

小説の性格からいって教会の懺悔室で聞かれるような物語だが、読後感はたいへん爽やかで充実している。こういった、あまり仕掛けのないヨーロッパ映画みたいな小説をもっと読みたい。ハリウッド映画ばりに仕掛けたっぷりの本がこの頃多すぎる気がする。

1998年12月01日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(海外)

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