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「壬生義士伝」

amazonいつからか、あんなに好きだった浅田次郎を読まなくなった。「鉄道員」あたりからかな。ひと言で言うと食傷した感じ。もうひと言言うと泣かせがあざとくてちょっと困っちゃった感じ(著者のは明日への希望がわくタイプの泣かせではあるのだが)。
で、久しぶりに読んだ浅田次郎。ネタが新撰組であるのが読んだ理由のすべて。なにしろ中学以来の幕末フェチであるボクだもの。でも、そう思いながら文庫になるまで読まなかったのだから、よっぽど食傷してたのね、浅田次郎に。
さて、久しぶりに読んだ感想はというと……さすがと言うしかないなぁ。
まぁうまいのはわかっていたのだけど。それにしても、だ。方言の一人称語りだけで、幕末の空気から新撰組の真実から人の道とは何かというテーマまですべてを描ききるこの筆力はどうだ。先人が掘り尽くした新撰組という鉱脈に堂々と挑み、新たな命を吹き込んで余りある。斎藤一を描きこみ坂本龍馬暗殺に新解釈(?)を与えただけでも幕末フェチとしては評価する。時代の変わり目を捉え、昭和・平成の現代までつなげ、現代人が失いつつある「日本人の精神性」までしっかり感じさせたその野心もすごい。いやはや。やっぱり浅田次郎は抜群だわ。
2003年03月01日(土) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:歴史小説
@satonao310