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「歳月の梯子」

amazonアン・タイラーの新作である。代表作になるのではないだろうか。
もともとしつこくディーテイルを書き込んでいって全体像を浮き彫りにするという作風だったが、この長編ではそれが特に際だっている。細部を徹底的に(良質のユーモアを交えながら)描写しながら全体の流れが少しも細部に引きずられていない。お見事。すごい筆力だ。筋もよく練られていて全く飽きさせないし、なにより主人公をはじめとする登場人物のキャラクター付けが秀逸。いやいや大したものだ。
そしてその性格描写、比喩、形容。それぞれ文字どおり「的を射た」表現で(その的を射かたの打率の高いことといったら!)共感を呼ぶ。特に女性の感情表現が強烈にうまい。男の僕が読んでいてこんなにのめり込むんだから女性が読んだらすごい共感だろうなぁ。女性に生まれ変わってもう一度読んでみたい。傑作。
1996年07月01日(月) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:小説(海外)
@satonao310