すぎやまこういち指揮「ドラクエ V 天空の花嫁」コンサートに行ってきた

2014年5月 7日(水) 8:41:05

20140505osakabig.jpg「ねぇ、これ、いっしょに行かない?」

2ヶ月くらい前だったか、珍しく娘からボクを誘ってきたのは『ドラゴンクエスト5「天空の花嫁」』のコンサートだった。
しかも、天才すぎやまこういち(ドラクエの作曲者)自らの指揮である。

「おー、すばらしい! よく見つけた! ぜひ行こう!」

即決である。
だって、ドラクエ5「天空の花嫁」はドラクエ・シリーズで一番好きなタイトルな上に、すでに6回ほどクリアしている(ビアンカで3回、フローラで2回、デボラで1回w)。
すぎやまこういちが作曲したゲーム内楽曲も本当に出来が良く、たぶん何万回と聞いているフィールド曲とか戦闘曲とかもまったく飽きがこないすばらしさなのある(もちろんあの有名な序曲もね)。

というか、ドラクエ自体、もちろんシリーズ全作やっているし、最新作のドラクエ10(オンライン)も現在毎日ログインして遊んでいる。FFもたいていやったけど、どっちかというとドラクエ派かなぁ。

娘は、ボクに比べるとまったくマニアではないが、大学受験時代、あの勇壮な楽曲たち(すぎやまこういち指揮で、都響とかロンドンフィルとかの録音CDが出ている)を勉強のBGMにして、かなり助けられた模様。ドラクエを聴くとやる気がでるし捗るらしい。まぁボクたち世代の「ロッキーのテーマ」みたいなものかもしれない。

ドラクエやってない人にとっては「は? ゲーム音楽?」って感じかもしれないけど、いやマジで日本が誇る大名曲群になっていて、ドラクエの世界観を語るときにこれら楽曲は欠かせないどころか、鳥山明の絵と共に、魅力のメインになっているくらいである。ドラクエを愛している人々はほぼ全員(だと思う)、作曲したすぎやまこういち先生を敬愛していると思う。

そんな天才すぎやまこういち大先生もすでに83歳。
最新作ドラクエ10に提供している新曲群(これがまたホント名曲揃い!)を聴いても、かなりお元気であるとは推察されるのだが、リアル指揮姿はいつまで拝めるかわからない。そういうこともあって「即決!」したわけなのだが、娘は申し訳なさそうに後を続ける。

「でもこれ、大阪なの・・しかもゴールデンウィーク真っ只中・・・」

大阪かぁ。。。GW期間中の大混雑新幹線で往復。二枚分(当然費用は親持ち)。うーん。。。でもまぁ娘がボクを誘ってくるのもうれしいし、すぎやまこういち御大の指揮だし、なにより「天空の花嫁」だし、ま、いいんじゃない?

というわけで、行ってきました、ドラクエ・コンサートに日帰りで。
しかも、買ったあとわかったのだが、なんとコンサートが行われるのは大阪は大阪でもずっと南の河内長野!(その名もラブリーホールw)

うーん、河内長野かぁ・・・南海高野線かぁ・・・神戸在住中でも乗ったことない電車だなぁ。調べたら難波から30分ほど。微妙に遠いw 

でも、往復8時間かけて行った価値があったよ!
本当にすばらしいコンサートだったのだった。

会場は満席完売。
来ている客層は、かなりのご高齢者から小学生まで。メイン客層は30代40代かなぁ。意外と年齢層が高い。そしてみんながみんな「わくわく」していて、会場内のテンションがとても高い。こういうテンションはストーンズのライブ以来。とてもいい感じ。

オケ(日本センチュリー交響楽団)が入ってきた段階で大拍手だが、最高潮はすぎやまこういち先生の登場時。最初からスタンディングオベーションが起こりそうなほど。あぁ会場が一体だ。

温かくも盛大な拍手に包まれ、おもむろに第一曲目を指揮し始めるすぎやまこういち先生。
もちろん、ファンファーレから始まるあの大名曲序曲である。

♪パーーーパラパッパッパーー

恥ずかしながら、この時点で涙で前が霞む。
たぶんボクだけではない。娘も「泣けた」と言ってたし、周りの人もこっそり目尻をぬぐってた。

なんというか、そのくらい人生に根付いた曲なのだなぁ。
シリーズ第一作から25年、四半世紀もの長い間、何千回と聴き続けた名曲。。。

知りたい方のために当日の構成を書くと、

<第一部>
序曲のマーチ
王宮のトランペット
街角のメロディ〜地平の彼方へ〜カジノ都市〜街は生きている〜街角のメロディ
淋しい村〜はめつの予感〜さびれた村
愛の旋律
空飛ぶ絨毯〜大海原へ

休憩20分

<第二部>
洞窟に魔物の影が〜死の塔〜暗黒の世界〜洞窟に魔物の影が
哀愁物語
戦火を交えて〜不死身の敵に挑む
高貴なるレクイエム〜聖(ひじり)
大魔王
天空城
結婚ワルツ

<アンコール>
エーゲ海に船出して(ドラクエ6)
そして伝説へ(ドラクエ3)


娘は「この死の塔が好きで」とか「愛の旋律のあそこが」とか「大海原へとか泣ける」とか「やっぱ結婚ワルツが」とか、ひとつひとつの楽曲への思い入れを語る。2回くらいしかクリアしてない娘にしてこうである。6回クリアしているボクに至っては言わずとも知れようというもの。

すぎやまこういち先生は、合間合間にいろんな話をしてくれ、指揮に入ると83歳とは思えない熱い指揮ぶり。いやーありがたい。いいものみたなー。娘なんかも「すぎやまこういちが元気なうちに見られて良かったー」と。いやホント、心からそう思う。

日本センチュリー交響楽団も大熱演。
クラシックをよく知る友人曰く「日本のいくつかのオケはすでに世界トップクラス」らしいが(ボクも先日、都響のマーラーを聴いて絶句し、思わず都響のシーズン会員になってしまった)、このオケもなかなか素晴らしい。弦も良かったが、フルートが特に印象的。

終演時の拍手もすごかった。
小学生とか乗りだして熱心に拍手してるし、近くのご老人はスタンディング。河内長野で、と言ったら失礼だが、この成熟した盛り上がりはなんだ!? しかも都会のコンサートみたくスノッブな人たちがいない。普段着の市井の人たちが必死に拍手している。

世代を越えた、という言葉があるが、まさにそれ。
こういう「大衆に膾炙したもの」の価値をボクは最大限褒め称えたい。なんと素晴らしい。

ドラクエという同じ世界を、何十〜何百時間いっしょに共有した人たちだけが持ち得るこの一体感も希有な体験だった。小学生にも若者にもご老人にも、なんか親しみを感じる。あー、みんなあのダンジョンに潜り、あの塔に上り、結婚相手選択でどきどきし、石の像になった主人公に涙し・・・いろいろしたんだなぁ。

ちなみに、すぎやま先生、会場に「ビアンカと結婚した人〜?」「フローラは?」とかアンケートをとった。
ビアンカ9割、フローラ1割、デボラ1割。圧倒的にビアンカなんだなぁ。ボクは初回はフローラだったんだけどw

って、なんだかオタクっぽすぎるかもしれないけど、わかる人だけにわかればいいや。


えーと、蛇足だけど、コンサート(15時開演だった)の前後もとても楽しかった。
昼は時間がまったくない中、なんばでお好み焼きを食べたり(「ゆかり」や「福太郎」は大行列すぎて諦め「千房」にしたが、サービスの人が異様によく、最近飲食店のバイトをやっている娘は感動し学んでいた)、帰りは新世界の「八重勝」で50人行列に並んで串カツを食べたり(「八重勝」は娘のフェイバリットでもある)。

日帰り親子二人旅としても、なんだか楽しい思い出になったのでした。あー楽しかった。
って子供みたいなブログで申し訳ないけどw

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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