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親の役割はひと通り終わったのかもしれない

2013年3月 4日(月) 17:51:06

昨晩は両親を呼んで「娘の受験終了祝い」と「娘の誕生日祝い」と「夫婦の結婚記念日祝い」と「ひな祭り」をした。

ボクたちの第一回目の結婚記念日(3月6日)に生まれた娘も、この6日で18歳になる。
生まれた1995年の春は、阪神大震災と地下鉄サリン事件があった。ボクたちは神戸から避難し、東京の実家で娘を得た。あれから18年。あったかもしれない無数の危険をかいくぐり、よくここまで育ってくれたと思う。

ここでも書いたが、あのとき「無事産まれて来さえすれば、他に何もいらない」と思った。そういう意味で、無事に生まれてくれた時点でもう親の想いは達している。もちろんその後もいろいろな希望を彼女に託してはいるのだが、基本それだけで充分という想いはいまでも変わらない。

そんな中、娘の大学受験の発表が先週末ですべて終わった。
終わってみれば6勝1敗。なかなかの成績である。おめでとう。
その1敗が一番行きたかった学部みたいだったが、まぁ縁がなかったということだろう。残念だけど仕方がない。

まぁなんというか、大学も就職も、無事に機嫌良く生きていくための『手段』である。
手段は無数にある。そのうちのひとつが大学進学。その程度に考えればいいとボクは思うな。

ちなみに、彼女が行くことに決めた大学(学部)は、苦手な課目があったために、彼女自身、受かるとは予想すらしていなかった学部である。

受かるとは予想すらしていなかった、という意味において、その選択はとてもイイコトだとボクは思う。予想がつかない思ってもみない流れは人を大きく成長させる。ぜひとも悔いのない数年にしてほしいと思う。

土曜日。
家族でそのキャンパスに見学に行った。
受かると予想してなかったので、娘も初めてそこに行った(受験会場は東京だった)。

親がついていくなんて過保護?
いや、でもね、湘南にあるそのキャンパスはあまりに遠く、親としてもキャンパスの雰囲気をイメージできなさすぎるのである。多少は「共有知」を持っていないと娘と話もできない。一回だけ、と思って娘についていった。

途中で「まぁここは遠すぎるかもなぁ」と親なりに思った。いやー遠いわw

でも、現地で在学生による個別説明会があったのだが、その説明がとても良かったのである。
娘のその学部に対するイメージもがらりと変わった模様。

これ、賭けみたいなもんで、あの在校生の説明がイマイチだったら娘もここに決めなかったかもしれない。そんなちょっとした偶然が人生の選択を変える。そういう偶然の重なりで人生ってできている。面白いもんだなぁって改めて思った。

家族でその学生にいろいろ質問した。
授業のラインナップもシステムも方針もとても納得した。ボク自身が生徒として通いたくなったくらいである。いいなぁ、こんな学校に通えて。ボクはうらやましいよ。

大学受験も終わり、大学選択も終わり、学費も用意し終わり、なんだか親の役目をひと通り終えた気分である。

実際、土曜日に終わったのかもしれないな。親の仕事は。

もちろん、まだまだ就職も結婚もあるだろうけど、でも、あとは本人の責任に任せた方がいい気がする。親が出る幕ではない。

バックアップはちゃんとする。まかせとけ。
でもそれは遠くで大きく網を広げるセイフティ・ネットみたいなもの。しゃしゃり出て行く類いのものではない。

寂しいような、ホッとしたような、そんな週末。

明日から、受験終了のお祝い旅に、家族でちょいと湯布院に行ってくる。温泉&惰眠!

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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