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仰ぎ見る山頂(畑正憲さん喜寿の会)

2012年5月31日(木) 8:00:08

ボクには尊敬する人がふたりいる。
もう15年くらい周りにもそう言っているし、この敬意にずっと変化はない。

尊敬する、というか、かなわない人、かな。
会うたびに「かなわないなぁ」と高い山頂を仰ぎ見る気分になる。

そのふたりに日曜と水曜(昨日)に連続してお会いできた。
今週はすごい週だ。というか今日は50歳最後の日。そういう区切りにこのふたりを思い出させてくれた神様に感謝したい気分。

ひとりは黒田征太郎さん。
20年以上のおつきあいになる。日曜日に半年ぶりにお会いした。相変わらずだ。滲み出てくるポジティブ・パワー。同じ空間にいるだけで若造のときみたいに緊張する。決して緊張させる人ではないのだけど、どこかで「負けている自分」を自覚するんだろうな。追いつきたいけど追いつけない遠い目標。憧れ。とてもじゃないけど73歳とは信じられないパワフルさ。

もうひとりは畑正憲さん(ムツゴロウさん)。
1992年くらいからのおつきあい。つまりは20年。

というか、単なる一読者としてなら1971年の「ムツゴロウの青春記」からのおつきあいなのでもう40年になる。彼の本はほとんどすべて読んでいる。特に「青春記」「結婚記」は傑作中の傑作。あ、ジャンルは違うけど「畑正憲の精密麻雀」も大傑作w

ナショナルのCMロケで「動物王国」を訪れて以来、チキンラーメンCMのロケも含め、いったいどのくらい動物王国でお世話になったろうか。一時は「住んでいる」と思われるくらい行っていた。10年くらいに渡り、毎年1ヶ月近くは行っていたなぁ。20世紀から21世紀になる年越しの日も中標津のムツさん宅で迎えた(妻娘も一緒に)。

のちには、ボクの本の書評をしていただいたり、彼の本(「ムツゴロウの東京物語」)に出演させていただいたりもした。光栄すぎて吐きそうだったw

まぁ、よく知らない方は「あの、動物バラエティ芸人の?」みたいに誤解する方がいるかもしれないが、彼は「天才」だ。動物学者としても作家としても素晴らしいが、この方の底力はそんなものではない。

これを書き出すと止まらないので、以前書いた「天才の根っこ」「失敗上手」にリンクしておきたい。これはボクの「人生ピロピロ」というエッセイ集の中にも入れた文章の元になった不定期日記である。

で。

昨晩は彼の喜寿(77歳)のお祝いだったのである。

北海道から奥さんの純子さんも来られていた(同じく77歳。東京にいる彼女を目撃するのはレア体験)。ムツさんとは去年ばったり青山の大坊珈琲店でお会いして以来。あのときはかなり弱ってられたが、腰を治し目を手術して、もうすっかりお元気になっていた。ちょっと前の元気なムツさんが帰ってきている感じ。

というか、週刊文春だったかで読んだけど、この数ヶ月前も、相変わらず麻雀大会で決勝に残ったりしている。目の手術の直後でよく見えなかった時に!

昨晩は50人ほどのこぢんまりした立食パーティだったが(@日比谷松本楼)、ムツさんや純子さんと久しぶりにお話しできてうれしかったな。「あー、さとうさん、うひひ」と笑うムツさん。「まぁまぁまぁ」と驚く純子さん。それだけでご飯が十杯食べられるぞ。

ムツさんが学研時代に撮った40数年前の貴重な学習ビデオ(当時はじめての海中撮影)も観ることができたし、「青春記」の表紙になった原画(写真)も見ることが出来たし、大満足。

そして。
山の高さも再認識できた。

ずいぶん登ってきた気がするけど、まだまだ全然ふもと。登山途中だ。
遠いなぁ。まだまだ断崖絶壁の難所がありそうだなぁ。登り切れない気がしてきたなぁ。でも仰ぎ見る山頂は美しい。自分の前に屹立する、手が届きそうもない山頂を持てているのは本当に幸せなことだ。

51歳を前に、気が引き締まった。

まだまだ登る。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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