9.11…まだまだスタートラインだなぁ

2011年9月11日(日) 7:31:58

今日9.11は、東日本大震災から半年。NY同時多発テロから10年。愛犬が生まれてから9年の日。

同時多発テロの映像は、テレビでライブで見ていた。
ニュース速報が入って画面が切り替わり、二機目が突っ込むのは完全にライブで目撃した。

あの日、911前と911後では世界は永遠に変わってしまったんだなぁとか思ったりしたが、こうして時間が経ち、俯瞰できてみると、世界は別に変わってなんかいやしない。911前も後も、同じように平坦に見渡せる。というか、こっちの見方が変わったのかもしれない。この10年でアメリカ本位だった視野がずいぶん矯正されたということもあるかもしれない。

東日本大震災については、毎日のように最新情報に触れていることもあってか、半年の今日も「何の区切りでもない」としか感じられない。

というか、区切りにして安心しちゃダメだ。
まだまだ311のあの日から状況は変わっていない。なんというか、部屋の真ん中にあった大荷物を、とりあえず見えない次の間に移動させただけ。見た目は少しはすっきりしたかもしれないが、何の進展も根本的解決も、ない。

だって、まだたった半年なのだ。
ずいぶん長く経った錯覚もあるけど、たった半年。あかちゃんならようやく離乳食だ。まだ歯も生えない。

哲学者の鷲田清一さんがこんなことを言っている。

「自立」とは、他人から独立していること(インディペンデンス)ではなく、他人との相互依存(インターディペンデンス)のネットワークをうまく使いこなせるということを意味するはずだ。困ったときに「助けてくれ」と声を上げれば、それにきちっと応えてくれる支えあいのネットワークのなかにあるということこそ「自立」であり、そのネットワークを支える活動が「自立支援」であるはずだ。(「死なないでいる理由」より)

物理的な復興は見えやすいが、精神的な復興は目に見えない分だけわかりにくい。

被災地の支えあいネットワークは寸断されバラバラになり、いちから構築しないといけないところがほとんどだ。あれから半年、まだまだようやくスタートラインなのである。

「だから支援しよう」なんて傲慢なことは言えない。
物理的な復興の次にくるであろう精神的な復興は、「支援」という単純な言葉でくくれるものではないだろうから。

なんというか、きっとこちらが支えるだけではダメなんだろうと思う。
そう、ボクもあちらに寄っかかる。与えてもらう。こちらから支えるだけではあちらに生き甲斐が生まれない。支えあって相互依存(インターディペンデンス)するから「自立」できる。

そのためにはどうすればいいんだろう……。
まだまだスタートラインだなぁ。まだまだだ。

そんなことをつらつら考えながら、今日はこれから石巻に行ってきます。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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