京都好き必読! & ワイン好き必読!
2011年6月23日(木) 9:10:16
ふたりの友人が本を出した。
どちらも超労作。「こういうのを労作というんだよ」のお手本である。
ひとつめは関谷江里さんの「最新京都美味ガイド」
(淡交社/933円)。
前作「京都美味案内」も素晴らしかったが(関谷さんの紹介とか本のスタンスとかはリンク先にくわしく書いたのでそちらを)、今回はより素晴らしい。
というか、本当に労作。ボクも「極楽おいしい二泊三日」みたいなガイドエッセイを出しているのでよくわかるが、店を厳選するためにはその数倍の数の店を食べ歩かないといけない。つまり、この本に掲載されている275店に絞るために、いったいどれだけの裏「自腹」調査があったことか(彼女もボクも基本「自腹」である)。すごい量だ。
そして掲載された写真(400点近く)は全部彼女自身が撮っているのもすごい。しかもこの本のための撮り下ろしである。つまりもう一度全店、この本のためにひとりで店を回り直しているわけ。ふぅ。
え?当然だろうって? いやいや、これは当たり前のようでいて、実はなかなか出来ないことなのだ。手を抜いている作者がどれだけ多いことか。そのうえ、料理写真がいかにキレイで美味しそうに撮れているかを彼女はとても気にする。だから写真の色校正は修羅場だったらしい。大変だなぁ。
出版前の苦労をメールやツイートで読んでいたが、なんつうか、本当にお疲れ様だし、ここまで手をかけられたガイド本は滅多にない。そのうえ、もともと関谷さん自体の店セレクトをボクは大信頼している。ボクが京都で食べるとき、必ず関谷さんに相談する。そしてハズしたことがない。
はい、京都好きの方、買うべし!
京都旅行、数年に一回はするでしょ? 買っておいて損のない一冊だ。
ふたつめは鹿取みゆきさんの「日本ワインガイド」
(虹有社/3500円)。
全533ページ。
書店で手に取ったらビックリすること間違いなし。「日本ワイン」への愛情溢れる文章が、小さいフォントでびっしり印刷された超労作だ。そして鹿取さんの単著。単著? この量を? あまりに驚いて、「ねぇねぇ鹿取さん、本当にひとりで書いたの?」とツイッター(@miyukikatori)のDMで訊いてしまった。
そしたら
酒販店に対するアンケート部分やリリースカレンダーは回答を編集者が転記してくれていますが、あとは基本的にすべて自分で書いています。約2年間、かかってしまいました。生産性悪すぎ…。書いても書いてもおわらない。校正しても校正してもおわらない。気が遠くなるような作業でした。友人のジャーナリストに1人でやる仕事じゃないよ、と言われました。今になってどっと疲れが出ています。
と、返信が。
聞けば7年分の取材ノートがあるそうで、これでも「書きたいことが多すぎて書き足りない」らしい。すごい!
日本ワイン? と思う方もまだいらっしゃるかも。キミ、ちょい遅れてるよw
ボクはいま、レストランでちゃんとセレクトされた日本ワインが置いてあった場合、フランス物やイタリア物の品揃えがいかに良くても、必ず日本ワインを頼む。品質的にも味的にも全然遜色ない。むしろ日本ワインの方が美味しいと思うことも多いし、発見する楽しみや「こんなに美味しい!」と驚く喜びすらある。日本人ってすごいよな。いつの間にかワインの世界でも技術的には世界トップクラスになっているし、味も世界トップクラスまで来つつある。そう、「日本ワイン」はいまVERY HOTなジャンルなのである。
この本はその中でも「日本のブドウだけを使った志高く日本ワインを造り続ける純国産ワイナリー」に焦点を当て、北は北海道から南は宮崎県まで、10道府県に渡って45ワイナリーをくわしくくわしく紹介している。ワイナリーの全体像やスペックだけでなく、「こんなブドウ園です」「こんなブドウを育てています」「こんな人が育てています」みたいなエッセイ的(主観的)なコラムがあり、こぼれ話や解説も丁寧に側注に載っている。それらがちゃんと読み物になっていて、読んでいて飽きない。
そう、つまり「資料」ではない。ちゃんとした読み物なのだ。その点が何よりうれしい。
そのうえ、日本ワインの歴史から、ジャーナリスト視点の問題点指摘、くわしいデータの公開など、この一冊を読めば日本ワインについてすべてわかる「日本ワイン大全」になっている。
いやぁ、ワイン好き、必携!
これを持ってなくてワイン好きとは言わせない。
ということで、超労作ふたつのご紹介でした。
勇気が出るなぁ。ボクもがんばろう。関谷さん、鹿取さん、素晴らしい本をありがとう!
