ムツゴロウさんに久しぶりに会った!

2011年6月24日(金) 9:03:43

3日前だったか、青山の「大坊珈琲店」で打ち合わせをしていたら、ギギギとドアが開いて小柄な老人が入ってきた。どこか具合が悪いのかゆっくり慎重に動く。でも普通の人とオーラが全然違う。店の中の人の注目がさっと集まる。

ボクは、打ち合わせの途中なのに急に立ち上がり、打ち合わせ相手(新聞社の方)を驚かせてしまう。すいません、でも人生の中でとても優先順位が高い方なんです。あぁ、こんなところでばったりお会いできるとは!

・・・久しぶりのムツゴロウさん(畑正憲さん)。

長くこのサイトや本を読んでくださっている方は知ってくださっていると思うが、ボクとムツさんはつきあいが長い。
最初に仕事で北海道の動物王国でロケしたのが1990年くらいかな。それからずっと濃いおつきあいだ。夏にほとんど1ヶ月、ロケで動物王国に滞在した年もあった。個人的な旅行でもよく行かせていただいた。20世紀最後の夜を過ごしたのも動物王国の彼の家(母屋)である。

というか、彼の本(大名作「ムツゴロウの青春記」「ムツゴロウの結婚記」)に出会ったのは中学1年。それから彼の著作はほとんど読んでおり、影響も大きく受けている。

50年の人生でいろいろな才能を持った方に数多く出会ってきたが、真の意味で「天才」と呼べる数少ないひとりがムツゴロウさんだ。動物系バラエティタレントくらいに思っていらっしゃる方もいるかもしれないが、それは彼のほんのほんの一面。奥が深くて広すぎる。こんな人に会ったことがない。希有なる才能の持ち主なのだ。

って、ムツさん論を語り始めると長くなるのでやめておくが、とにかく久々のムツさんだ。

「さ、佐藤です! お久しぶりです!」
「あああああーーー」
「お元気でしたか?」
「ちょっと腰をやりましてね」
「え? ムツさんが、腰!?」

内臓や歯はボロボロだがw、足腰の強靱さはもう超人的だったムツさん。そのムツさんが腰を・・・。これだけでムツさんをよく知っている人は驚くだろう。そのくらいカラダが強い人だった。

ちょうどボクたちの横の席があいていた。
お招きし、打ち合わせ相手も含めて3人で「大坊珈琲店」のカウンターで座談みたいな形に座る。

ボクが会社を辞めた話になる。

「自然退職でしたっけ?」
「いえいえ、まだ50歳なので!」
「あー、じゃあいろいろ楽しげな本とか書いていたのがいけなかったんですねぇ」
「いや、辞めさせられたわけではありませんから!(笑)」

とか、だんだん漫談みたいになってくる。
お会いしなかった年月がすぅっと埋まる。懐かしいなぁ、ムツさんとの独特の会話のキャッチボール。この感じ、大好きだ。

その後、料理の話、おいしい物の話、ブラジルの話、サンパウロで出会った家族の話、政治の話、原発の話、と、ムツゴロウ節はどんどん加速する。あっという間に1時間以上経ち、7月くらいに一緒にご飯を食べに行く約束をしてお別れした。

ちょうどお会いする数日前に、ツイッター上でひょんなことから「ムツさんのところに長くいたときに、中標津の草競馬に騎手として出場して3位を取ったことがあるよん」みたいなやりとりをある方としていた。そう、あのころは(乗馬も含めて)本当にいろいろ教えてもらった。最近ムツさんにお会いしてないなぁ、どうされているかなぁとか思っていたところだったので、偶然とはいえビックリだ。

それにしても、もったいない。
ムツさんの希有な才能がちゃんと活かされていないなぁと本当に思う。
ちょっと外面的には衰えが感じられるが、まだまだ頭もクリアで話も面白い。次にお会いするのがとっても楽しみ。というか、何かムツさんと一緒にできないかな。ちょっと考えてみよう。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

アーカイブ

同カテゴリーの他記事