そこをなんとか 〜満員劇場御礼座

2010年12月 6日(月) 8:00:29

舞台が終わった瞬間、まわりの席から「おもしろかったねー」「来てよかったねー」とか声が出た。
むふふ。当たり前ではないか。なんといっても満劇だ。でも本当はもっとドッカンドッカン笑えるんだけどね。ちょっと洗練されちゃってたかも…とも思ったけど。

何の話かと言うと、昨晩行った満員劇場御礼座(略して満劇)の話である。
昨日は週7本目の講演(SundayLAB)を終えた後、中目黒のウッディシアター中目黒に行って観劇した。題して「満劇東京出張公演『そこをなんとか』中目黒版」

満劇はうちの会社の大阪支社の同僚たちが多数出演しているサラリーマン劇団で、大阪勤務時代は毎回楽しみに出かけた(1985年からほとんど全部行っていると思う)。東京転勤(2000年)後も自腹で大阪まで毎回でかけた。同僚たちが多く出ているということを差し引いてもそれくらいはファンである。思い出深いのは87年の「すかたん株式会社」と93年の「係長・係長太郎」、96年の「走れ、すちゃらか社員」、01年の「弁護士 便剛史郎」あたりかなぁ。特に芦屋キムチが出ていたころの初期のが懐かしい。

その東京公演だ。見逃すわけにはいかない。なんとか日曜の千秋楽だけ時間がとれたのでニコニコでかけた。
ドッカンドッカンと暴力的に笑いをとっていくいつもの感じと違い、今回はわりとシュールかつ不思議な作風のものが多かった気がする。大笑いするつもりでウエストがラクチンなデニムで出かけたのだが(笑)。でも妙に印象に残る作品がいくつもあり、後味は長くおいしい。

オムニバス形式で演目は6つ。

1. 来月から入れてください
  作・演出:心斎橋ラムネ
  出演:高瀬和彦、心斎橋ラムネ、にこたまBBQ
2. お先に行かせてください
  作・演出:尼崎ホップ
  出演:舞子わかめ、緑ファンタ
3. どうか明日もいてください
  作・演出:堂島サバ吉
  出演:朝潮でんぷん、桂雲呑、高槻アジ郎、にこたまBBQ
4. 私に謝ってください
  作:淀川フーヨーハイ・緑ファンタ 演出:淀川フーヨーハイ
  出演:緑ファンタ、心斎橋ラムネ
5. 時には思い出してください
  作:淀川フーヨーハイ 演出:淀川フーヨーハイ・朝潮でんぷん
  出演:桂雲呑、高瀬和彦、ライス大、
     堂島サバ吉、楠葉プリン、天王寺春雨
6. 384番窓口に行ってください
  作・演出:堂島サバ吉
  出演:淀川フーヨーハイ、おからんぐ、舞子わかめ

ふーん、今回はあべの金欠は書いてないのだなぁ、堂島サバ吉の本はシュールな2本だったなぁ、緑ファンタの怪演が光ったなぁ、高瀬和彦(ババロワーズより客演)って前回出たときもとても良かったけど今回も異様に存在感あるなぁ、心斎橋ラムネは毎回うまくなるなぁ、天王寺春雨のテンション高いの見たかったなぁ、にこたまBBQって初めて観た気がするけどなんだかいい役者だなぁ、高槻アジ郎も初めて観たと思うけど土方衣装が異様に似合うなぁ、舞子わかめと楠葉プリンはもうなくてはならない人だなぁ、ライス大と朝潮でんぷんとおからんぐには毎回ドキドキさせられるなぁ、桂雲呑はもう25年見続けているけど昔から老けていたということに今気づいたなぁ、淀川フーヨーハイにはもっともっともっとたくさん出て欲しいなぁ。とか。とかとか。ファンだけにマニアックな感想w

というか、みんな職業人としてもいい加減相当忙しいと思うのに(知ってるだけで社長が2人、次長がひとり。スタークリエーターも数人。今時はヒラも異様に忙しいし)、よく時間を作って稽古して公演まで実現して、というのを続けているなぁ。頭が下がります。

どれもおもろかったけど、好きなのは2と4か。
特に4は、緑ファンタが話した「湾岸戦争の油まみれの海鳥に似ていると笑われた話」というエピソードの、その笑われた現場にいて実際笑ったうちのひとりだっただけに、懐かしくもツボに嵌って大笑い。うひょひょ。2はふたりとも演技がうまく、狭い足場での演技という緊迫感と相まってとてもいい作・演出だったと思う。あとは3もなんだか心に残った。とはいえ1も5も6も良かったんだけど。

前日に竹内まりやに大感動したので、実は観に行くのがちょっと怖かった。翌日に他のを見て印象が薄まるのがイヤだと思って。
でも杞憂に終わった。温かく、何かを思い出させてくれるようないい舞台。まりやの感動を壊さず、ちょっと前に進めてくれた感じ。最近、なんか寄ってたかってボクに「大切なこと」を教えてくれているような感覚。

この気持ち、忘れないようにしよう。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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