銀宝の天ぷら

2010年4月30日(金) 19:36:39

そういえば先週だったかに食べた銀宝のことをまだ書いてなかった。

銀宝。ギンポウ。ギンポ。
いろんな書き方があるけど、まぁそんなに美しくない、どちらかというと醜い魚である(写真はこことかこことか)。でもこの身が淡白で上品で滅法うまいのである。

ボクには食いしんぼの先輩がいて、毎年この時期になると電話がかかってくる。「あのさ、銀宝の天ぷら、そろそろじゃない?」

どうやらその先輩のお父さん(もう亡くなった)がまた食いしんぼだったらしく、中学生とか高校生だった彼に「銀宝はまだかな。春は銀宝だよな!」とか繰り返しつぶやき、そして毎年いろんな店に連れて食べに行ったようなのだ(なんと粋な教育ではないか!)。そういう十数年を過ごし、子供も見事に「こういう季節にはこういうものを食べるものである」ということを知っている食いしんぼに育ったわけである。そしてそれを今、ボクにしてくれている(過去ログだとこれとか。そうやって習った挙げ句ひとりでも行ってる

「でさー、今年はさ、羽田のこの蕎麦屋で天ぷら食べるのがいいかなと思うんだけど」と、彼。
昼ご飯に食べに行こうというのである。さっそく電話してみたけど閉店したのか電話が通じない。では、というのでネットを駆使して調べ、文京区本郷の「森の」という蕎麦屋を探り当てた。行ったことない店である。でもこの時季に銀宝を扱っている蕎麦屋に悪い店はない。とりあえずそこに行ってみよう!

で、ふたりでニコニコ出かけてみた。
ら、奥さんこれがなんと、絶品だったのです。
う、うまひ。実にうまひ。
ま、まいった!

と、縦読みまで入れてしまうようなうまさ(なぜ名古屋弁?)
つうかですね、身が厚い。先輩曰く「ここまで厚い身の銀宝を30年ぶりに食べた」と感激していた。店の入り口の横の生け簀に入れた銀宝は能登の七尾産。ご主人が市場の人と喧嘩してまで仕入れた上物だそうだ。

江戸前の銀宝が入荷するのは6月だとか。このご主人が仕入れる江戸前銀宝ってきっとまたうまいんだろうなぁ。もう今から楽しみである。何日に行こうかな。ちなみにこの店、蕎麦もかなりうまい。板わさなんかの一品も凝っている。お酒の品揃えもとてもいい。いい店だ。銀宝のおかげで発見できた。ありがとう銀宝。そして6月、また行くよ。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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