無駄と回り道のススメ

2010年4月 1日(木) 8:00:53

今日4月1日から新入社員になる方、新入生になる方、おめでとうございます。

うちの娘も一応今日から高校一年生。
早いなぁ。こんなことあんなことをしていたのがつい昨日のことのようなのだけど…。

大学受験〜就活、という道を進むとすると(他の道も十分ありえるが)、実はいまの学生生活というのは余裕がない。遅くとも高2の夏には受験勉強を始めないといけないし、大学に入ったら入ったで、大学3年になったらもう就活で「とりあえず人生の方向を大きくは決めないといけない」。受験が終わってホッとしていたらすぐ就活。落ち着かないな。かわいそうだな。慌ただしいな。

つまり、高校一年生の1年間と、大学一年生二年生の2年間、計3年間くらいしか「自分の幅を広げるような無駄なこと」に時間をつぎ込めなかったりする。この「一見無駄に思えること」が実は大切で、後々の財産になるのだが、あたふたしているとあっと言う間に学生時代が終わってしまう。会社に入ったら入ったで一気に激務。日々の業務に追われてしまう。

なので、父親としては、高校一年生の今年は、一見無駄なようでも贅沢に時間を使って、ゆっくりいろいろ考えつつ過ごして欲しいと思う。音楽、本、映画、演劇、漫画、美術、スポーツなど、それを職業に選ばないなら直接には人生に関係ないように思えるコトにいっぱい触れて欲しいとも思う。孫正義は15歳でライフプランを立て、そこから疾走し続ける人生を選んだが、それも「竜馬がゆく」という本に出会い、「自分とは何か」「人生とは何か」を考えきった末のこと。自分なりの「竜馬がゆく」に出会って欲しい。それはきっと効率的な生活では出会えず、無駄が多い生活が必要になると思う。

ボクは高校一年生のころが人生で一番読書していた時期。背伸びして難しい本をいっぱい読んだ(特にロシア系、哲学系)。内容はまっっったく覚えてないが、あのころ「あれらの本を苦労して読んだ」という事実は意外と心の支えになっている。そして何かしら成長の糧になっているとは思う。「竜馬がゆく」に出会ったのもそのころかなぁ。そこから龍馬マニアになっていったのだけど、ボクは根性なしだったので孫正義みたいな目標設定はできなかった。でも熱い想いは持った。それがいまでも多少は心の中にある(気がする)。

ということで、娘には「無駄と回り道」を是非オススメしたい。
「この一年、無駄に過ごせよー!」というのも変な話だが、遠い未来の自分への種まきと考えて、是非。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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