スタッフの名前

2009年12月17日(木) 8:49:35

「Superflyの武道館ライブの照明が良かった、照明ディレクターは誰だろう?」とおとといのさなメモで書いたら、その照明ディレクターをされた澁谷賢治さんからメールをいただいた。いやぁ、やっぱりネットって面白いね。

でも、ライブ・ステージって、照明とかセット美術とかミキシングとか振付とか総合音楽監督とかいろんな人がみんなで作り上げているのに、そのクレジットがどこにも出ていないのが不思議。というか不満。検索しても辿り着けない。ライブ終了後のモニターに映画のエンドロールみたいに流すとか、チケットやチラシに表示するとか、もしくはせめてサイト上に表示してほしい。「お、今日の照明は○○さんか、期待できる!」とか、そういう楽しみ方もしたい。

昔、黒田征太郎さんと話していて、彼が「ぼく、映画の中でエンドロールが一番好きなんですよ」と言ったことを思い出す。その映画が面白くてもつまんなくても、エンドロールが流れるとジワ〜と感動するんだって。こんなに大勢の人がいろいろ笑ったり騒いだり悩んだり愚痴ったりしながらこの映画を作り上げたんだと思うとなんか心が温かくなる、と。 これ、とてもよくわかる。ボクもエンドロールがとても好き。いつもじぃっと見入ってしまう。

テレビ番組のラストで流れるスタッフの名前もわりと読む。番組で目立っているのはタレントや俳優なんだけど、彼らが力を発揮できるのはスタッフたちのおかげ。スタッフの名前を見ていると、彼らが走り回ってセッティングしたり徹夜で編集したりしている姿が想像されてなんだかほんわかするのである。でも最近ではスタッフ・ロールはわりと軽視されていて、ものすごい早さで流れることが多い(特にバラエティ)。失礼だよな。

雑誌もラストページの編集者欄をよく見るし、新聞も記名記事が好き(毎日新聞が他に先駆けて記名記事を導入したときは喝采した)。まぁボク自身が、「広告」というスタッフ名が明らかにされない黒子作業をしていることもあるとは思うけど、表に出ないところで苦労している人たちの動きをいろいろ想像しながら見たり読んだりするのが好きなのである。

メーカーが作る製品も、サイト上でもどこかでいいから、関わったスタッフたちの名前を載せて欲しいな。なんというか、作った人の体温みたいなものが少しでも伝わってくると、その製品に対する印象が温かい方向に変化する。使用者としてその製品に「愛」が持てるみたいなこと。モノをいっぱい買うことが「豊か」だった時代が終わり、買わないこと・捨てないことが「豊か」になった今、そういう「愛」ってとても大事だと思うし、それこそが「ブランド」だと思うのだけど。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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