マリインスキー・バレエ「イワンと仔馬」
2009年12月 9日(水) 7:51:46
昨日の募金アプリについて、たくさんの応援やサジェスチョン、ありがとうございます。
こういういわゆる「いいこと」っぽいことって、書けば書くほど「いいことをしているオレ」みたいなアピールに見えてきてイヤなのだけど、もともとツイッター上でオープンに話が始まったこともあり、経過もある程度オープンにしていこうと思います。というか、なぜだかわからないけどとにかく走り始めちゃったので、どうなるかわからないなりに最後までは走ってみます。
まず、税金問題については光明が見え始めていますが、まだまとまってません。今日か明日にはまとめて、デザインも仮に上げて、とりあえず申請できるところまでは持って行きたいところ。いずれにしても年内リリースはアップルの都合で難しいけど、まだルートを探っている状況です。結果はもうちょっとお待ち下さい。
そんな中、昨晩はマリインスキー・バレエへ。
「白鳥の湖」をコンダウーロワとヴィシニョーワで見て、昨日で3つ目にしてラストである。あぁロシアに帰っちゃうのね(まだガラがあるけど観に行けない)。
昨晩はワレリー・ゲルギエフがマリインスキー歌劇場管弦楽団を指揮した完全引越公演。ゲルギエフの異様な人気もあり、マイナーな演目なのに会場はほぼ満席。補助椅子が出ていたくらいであった。有名なところでは細川護煕元首相が観に来ていた。
演目は「イワンと仔馬」。ラトマンスキーが新演出したもの。
ラトマンスキーのものはボリショイ・バレエで「明るい小川」というコメディを1年前に観たが(岩田モリ熱演!)、あれよりももっとコミカルで、美術もかなり抽象的でシンプル。興味深かったけど、「白鳥の湖」みたいな「さすがマリインスキー!」って感動はなかったかな。美術と衣装の素晴らしさが活かされてきっていなかったし。というかボク自身、クラシックな舞台の方が好きということもあり。
原作は「せむしの仔馬」という民話で、ロシアでは幼児から大人まで誰でも知っている物語らしい。日本で言ったら「桃太郎」みたいなものか。
たとえば「桃太郎」だったら、犬や猿や雉との出会いや鬼との闘いを有名演出家がどう描くか、世界トップのダンサーたちがどう踊るか、を、日本人は楽しめるでしょ? この作品、たぶんロシア人にとってはそういうものなのだと思う。でもストーリーを全く知らない日本人から観ると、ストーリー的についていくのがやっとで(かなり荒唐無稽で展開も早い)、そのコミカルさも(前提をしらないから)どこか楽しめないのである。仕方がないから途中からはダンスそのものと、色濃いロシア色を楽しむことに徹することにした。サイトでストーリーを熟読していったボクでもそうだったから、ストーリーを知らずに観た人には相当チンプンカンプンだっただろうなぁ。
第一幕は、その独特のコミカルさについていくのがやっとで(ノリについていけないし笑えない)、ダンスも盛り上がる部分が少なく、個人的にはもうひとつ。
ただ、休憩後の第二幕は、姫役のソーモアのダンスが多くなり、火の鳥たちや海の女王たちのダンスなどもあり、イワンや仔馬のダンスの見せ場もあり、かなり楽しめた。ラストのころには「もっと観たい!」と思うくらい。逆に言うと、ラストでようやく盛り上がってきたので、もっと最初から見せ場をたくさんちょうだいよ、という感じ。
ラトマンスキーの振付は、姫のソロがどれもこれも素晴らしいものだった。
ただ、火の鳥たちの群舞はもっともっと盛り上げられるはず。海の女王たちのところも。そこがもっとグッと盛り上がると舞台全体の印象も変わったと思う。あと最後の「熱湯の入った大釜」場面。ちょっとマジックっぽい演出が欲しかったな(イワンが変身する部分。着替えてるのが丸見えなのってどうよ)。
キャストは、姫君役がアリーナ・ソーモワ(とても良かった。ヴィシニョーワっぽい)、イワン役がレオニード・サラファーノフ(これも良い。岩田モリがやったら当たり役になるような役だなぁ)、仔馬役がグリゴーリー・ポポフ(ジャンプが高く安定していて良い)。この三人が大きなダンスをしてくれ、舞台は相当締まったと思う。あと、雌馬と海の女王役に「白鳥の湖」でプリマをやったコンダウーロワが出ていた。海の女王よりも雌馬役の可愛さが目立ったかも。
全体にかわいらしい小品だったけど、民話知識としての共通の土台があったら3倍は楽しめただろうと思うとちょっと残念。皇帝や侍従たちの動きももっともっと楽しめただろうに。
ゲルギエフの指揮はメリハリがあって力強いもの。第二幕などガンガンに攻めていて気持ちよいくらい。彼のシンフォニーとか聴いてみたいな。まぁほとんどチケット取れないのだけど。
