マイケル・ジャクソン「THIS IS IT」
2009年11月 9日(月) 7:25:38
先週の頭だったか、マイケル・ジャクソンの映画「THIS IS IT」を観てきた。
ライブを撮った映画として、たとえばローリング・ストーンズの「シャイン・ア・ライト」がある。
マーティン・スコセッシ監督の名作だが(ボクは機内映画で観た)、これにはライブが始まる数分前までセットリスト(演奏曲順)も決めないストーンズの姿が描かれている。出たとこ勝負というか、ある種のライブ感はそこから生まれるのだとも思うし、彼らのシンプルなステージゆえのことでもあると思う。
マイケル・ジャクソンのステージ作りはその真逆。
まるで精密機械を組み立てるように、繊細に、計算づくで、細かく細かく考えられている。なのでリハーサルも超緻密。映像とも連動するので、秒単位でタイミングなどが決められていく。その緻密さゆえ、リハーサルが繰り返され、それをつなげたこの映画も2時間飽きさせず成立している(ほとんど本番に近いステージが再現されるため)。
映画の中で特に強く印象に残ったのはふたつ。
まずはマイケルの謙虚さ。暴君であっても全員ついてくるだろうに、あくまでも謙虚かつ優しく、細かい気遣いを欠かさない。ちょっと気の毒になるくらい周りの人間に気を遣っている。その姿がとても印象に残った。北風と太陽なら完全に太陽。こういう感じ、たぶん21世紀的。
もうひとつは「Beat It」のシーン。なぜか涙が出た。マイケルと同じステージで踊りたいがために集まったバックダンサーたち。彼らはものすごい倍率のオーディションをくぐり抜けただけあってみんな異様にうまいのだが、そんな彼らがマイケルのバックで「Beat It」のあの有名な振り付けをマイケルと一緒に踊るのである。
このシーンではバックダンサーたちの顔を追ったりはしてないのだけど、バックダンサーたちの気持ちを思うと泣けた。子供のころに見てマネして憧れたであろうあのダンスを、今、マイケルと一緒に踊っている自分。うれしかっただろうなぁ。それを思うとなんだかね。
2時間まったく飽きなかったが、最後をメッセージ的に締めくくったのは蛇足だったかも。マイケルのステージと映像を観ていれば自然と伝わることである。それだけが少し残念な他はとてもよく出来た映画だった。モノづくりに関わっている人は観たほうがいい映画。自分の姿勢が問われるという意味において。
