ドゥダメルのLAフィル就任記念コンサート @ネット生中継

2009年10月 5日(月) 7:07:41

昨日の日曜日の昼間にやった「ドゥダメルのロサンジェルス・フィル音楽監督就任記念コンサート @ハリウッドボウル」のネット生中継はすごかったなぁ。

ある方にメールで教えてもらったのだけど、教えてもらった時点でレッチリやハービー・ハンコックの前座(前座!)は終わっていて、ドゥダメルの就任初指揮は日本時間の午前11時からという感じだった(ロス時間で19時)。

サイトにアクセスしてしばし待つ。スピーチとかが始まり、ジョン・ウィリアムスとかもスピーチしてた。
ボクはボクで Twitter

  • ドゥダメルのロサンジェルス・フィル就任記念コンサートをネットで生中継しています。彼が出てくるのはロス時間の19時(日本11時)だと。前座がレッチリやハービーハンコック。すげー! → http://www.laphil.com/webcast/

とか流し、情報を共有。わくわくしながら待ったですね。だってこの前の来日コンサートがあまりに神だったから(→芸術劇場の日は特に。その日の日記参照)

その後 Twitter で、ネットで同時間に見ている方々と感想を言い合いながら鑑賞。演ったのは「ベートーベン交響曲第9番」(その前にユースプログラムの「YOLA EXPO Center Youth Orchestra」の演奏(ドゥダメル指揮)があったがそれは省略)。

Twitter に書いた流れを写してみると、


  • そろそろドゥダメルの登場かな。【11:03】

  • 第一楽章で拍手出ちゃったよ。気持ちはわかるけど(笑)【11:51】

  • 第一楽章より軽快さがでてきた。これ、第四楽章はかなり歌うね。楽しみすぎる!【12:02】

  • こういうテンポのとりかた、ドゥダメルっぽい。【12:16】

  • クラシックをあまり聴かない方も、このドゥダメルの就任記念コンサート生中継の、第九の最終楽章あたりは聴く価値あると思いますよ。今です。ぜひ。【12:23】

  • 楽章間拍手ならまだしも、楽章途中での拍手は……さすがLA(笑)【12:31】

  • 重くて軽快で沈んでジャンプして、急流のような第九。お見事。ボクは好き。純粋に楽しい音楽。【12:48】

  • アンコールやるんだ!【12:53】

  • あ、花火か。すごい。【12:54】

  • すごすぎる・・・【12:59】

  • 音楽は楽しいんだって、クラシックってこうやって楽しんでいいんだって、自ら体現してくれている。なんか本当に二十世紀が終わったんだなぁと思った。あらゆる意味で。ドゥダメル。素晴らしい。【13:02】

というような流れ。
いや、ほんと、LAの観衆は自由すぎて、いきなり第一楽章が終わったところで大拍手&大歓声(笑)。まぁでもドゥダメルの音楽って「芸術」というより「歓喜の衝動」に近いので、なんか許される部分はある。間(ま)がとてもものを言う第三楽章と第四楽章の間も大拍手&大歓声が出ちゃったしなぁ…。というか、終楽章に至っては、楽章途中で拍手でちゃったからね(笑) このときはさすがのドゥダメルもやりにくそうだった。

第一楽章はあくまでも重くどっしり始まって、第二楽章で軽快さが加わり、第三楽章は細部までとにかく美しく、と、来日した時に聴いたチャイコフスキーの5番の構成を彷彿とさせるような「大きなうねり」を持った演奏。で、第四楽章・終楽章と、高らかに歌い上げ、叫び、疾走する…。この辺、本当に「これぞドゥダメル」という感じ。細部はあくまで丁寧で正確なんだけど、俯瞰してみたときの疾走感が凄まじい。好き嫌いはあると思うけど、ボクは大好き。クラシックはここまで楽しくたっていい。

ものすごい大歓声。まぁこりゃ熱狂するよなぁ。こういう人を音楽監督に迎えられる都市がうらやましい。
で、アンコール。終楽章をもう一度やったんだけど、その前にドゥダメルがスピーチして、最後「Enjoy !」と締めくくった。かっけー! そう、音楽の本質は「Enjoy !」だ。

いきなりカメラが大きく引いて会場であるハリウッドボウル全景に。
屋外の大会場にふさわしいフィナーレ。なんと花火と第九の競演である。曲にシンクロして華やかに演出される花火。実にド派手で美しい。思わず「ワー!」と声が出てしまう。こんな第九に眉をひそめるヒトもいるのだろうけど、ボクはこれを見て「二十一世紀が来た!」と思ったな。こういうネット生中継も含めて、Twitter でのやりとりも含めて、フラットでオープンなこのイベントも含めて、多様な人種・服装での第九合唱も含めて、そして第九と花火のド派手な競演も含めて、二十世紀的なやり方が本当に終わり始めている。

まさに「歓喜の歌」だったなぁ。陽気で楽天的で、未来を信じるポジティブパワー全開。鳥肌たちまくり。ちょっと目眩すらした。いいもの観たなぁ…。

あと、個人的にはドゥダメルが第一楽章を始める前に、指揮台の上で一瞬静かに集中し、一度目を閉じながらニコッとしたところが印象に残っている。あのとき「さあ、楽しい音楽の時間だ」と、のだめの千秋のようなことを考えたのではないかな。楽しもう、と。そんな心理が読み取れるようで、あの場面はとても好き。

ネットの生中継はとてもキレイな映像で、音質もとてもよい。歓喜の歌では字幕入り(英訳&スペイン語訳)。
というか、これ、世界中のヒトが同時に観ているというのがすごいなぁ。よくサーバー持つなぁ。テレビと違って「編集や解説がない」のがいい。一時情報そのまんま。いいコンテンツ(ライブやスポーツ)はタレントによるコメントなんかなくたって充分持つということをそろそろ民放も気がついて欲しい。

ちなみに、この生中継、公式に「Twitterでフォローしろ」とアナウンスが出ていた。もうアメリカでは普通のこと。
で、そこに「Follow @LAPhil on Twitter:Thanks to everyone who watched the Bienvenido Gustavo webcast! Tune into our 24 hour on-demand encore tomorrow @ 10am PDT: http://laphil.com」と出ている。つまり、現地時間で明日の朝10時(日本時間だと午前2時かな)から24時間、ネットで放映するみたいです。

そう、たった今、サイトにアクセスすれば見られます。今晩の午前2時まで。お見逃しなく!

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター
(株)ツナグ代表。(株)4th代表。独立行政法人「国際交流基金」理事。復興庁政策参与。公益社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。東京大学大学院非常勤講師。上智大学非常勤講師。
朝日広告賞審査員。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。
現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。
本名での著書に「明日の広告」「明日のコミュニケーション」(ともにアスキー新書)。「明日のプランニング」(講談社現代新書)
“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(光文社文庫)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。
花火師免許所持。
東京出身。東京在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園夙川芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao[a]satonao.com まで(←スパムメール防止のため、@を[a]にしてあります)。

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