バレエ「ザハーロワのすべて」観劇
2009年5月 5日(火) 9:18:06
ザハーロワのガラ公演「ザハーロワのすべて」最終日を観てきた。@東京文化会館
ザハーロワを盛り上げる脇役陣はボリショイからで、これがなかなかに豪華。
ウヴァーロフにメルクーリエフにワシーリエフにシュピレスフキー。そしてカプツォーワにコバヒーゼ。あとはキエフバレエからのエントリー。さすがザハーロワ、集めるなぁ。まぁロシアの人はみんな日本に来たがるらしいので(岩田さん談)日本公演だからということもあるのだろうけど。
このメモでも何度か書いたが、ザハーロワを初めて観たのは2003年。マリインスキー劇場からボリショイ劇場に移ってきたデビュー公演の「ジゼル」をモスクワで観たのが最初である。それ以来いろいろ観てきているが、その伸びやかな肢体と教科書的にきちっとした踊り、高く上がる足、優雅な細部、そして圧倒的な美人度とオーラなどは認めるものの、実はあまり好きではないダンサーだったりする。美しくまとまっているが、心にグッと来ない。迫り来るものがない。他のダンサーなら涙ぐめる踊りが、ザハーロワだとまるで泣けない。まだ「踊り」が「演技」になっていないように感じてしまう。
この日の前半の「カルメン組曲」がまさにそれだった。
うまいんだけど、カルメンが単なる美しいお人形に見える。妖艶さもエッチさも謎めいたところも気っぷの良さも感じられない。これじゃドン・ホセも誘惑されないなぁ。会場のあちこちからブラボーが飛ぶが、ボクはブラボーを叫べない。たとえばグラチョーワとかで観たい…。
でも休憩後の、メルクーリエフと組んだモダンダンス「トリスタン」「ブラック」はわりと良かった。お人形のメッキが剥がれて、彼女自身が出てきた感じ。ちょっとギエムを彷彿とさせるような動き。ザハーロワって真面目で消極的な人なのかもとちょっと思った。良くも悪くも「枠」を自分で作ってしまいその中を出ない。枠を壊さないといけないダンスだと真面目に枠を壊してくる。
とはいえ、結局この日の公演を持って行っちゃったのは「パリの炎」「クレイジー」を踊ったワシーリエフだった。
去年の(岩田さんが来日したときの)ボリショイ公演「明るい小川」でも光っていたけど、この人、次世代のボリショイを支えるひとりになるんだろうな。圧倒的なダンス技術と明るいオーラ、そして心に直接届く表現。ちょっとアクロバティックに寄りすぎてはいるけど、伝えたいことがとてもよく伝わってくる。カーテンコールでも(ザハーロワの除けば)一番拍手が多かった。
アンコール、出演者全員でパガニーニをを踊ってくれた(アンコールのアンコールでもう一回)。
これ、とても良かった。ウヴァーロフ、メルクーリエフ、ワシーリエフと、高い技術の男性陣が揃っていたので、全体が締まり、美しかった。前回のボリショイ公演「白鳥の湖」でダメっぷりを見せつけたシュピレスフキーはやっぱり今回もダメ。でも超ハンサムで背も高くスタイルもいいから、まぁ彼も次世代のスターなんだろうけど、もうちょっとうまくなってほしい。
備忘録として演目とキャストを。
カルメン組曲
ザハーロワ、ウヴァーロフ、シュピレフスキーほか
パリの炎(第2幕のパ・ド・ドゥ)
カプツォーワ、ワシーリエフ
トリスタン(デュエット)
ザハーロワ、メルクーリエフ
エスメラルダ(パ・ド・ドゥ)
キファーク、ヴァーニャ
ブラック
ザハーロワ、メルクーリエフ
ジゼル(第2幕のパ・ド・ドゥ)
コパヒーゼ、シュピレフスキー
クレイジー
ワシーリエフ
ヴォイス
ザハーロワ
アンコール(パガニーニ「カプリース 24」)
主要メンバー全員
沖縄から帰ってきた翌日で、その文化や空気の方向性の違いに馴れるまで時間が少しかかったけど、でも、やっぱりバレエはいい。
で、帰り際、11月に来日する「マリインスキー劇場」の会場特別先行販売チケットを衝動買いしてしまった。バレエ観劇欲がまた上がってきた。「白鳥の湖」をロパートキナとヴィシニョーワがやるんだけど、さんざん迷ってヴィシニョーワのにした。ロパートキナのは一度観ているし、ヴィシニョーワの「シンデレラ」や「ロミジュリ」を5年前くらいに観て異様に良かった記憶があるから。彼女の白鳥、楽しみ。
8月には岩田さんが来日してガラ公演に出演するらしい(8/9らしい)。
それも今から楽しみだ。
