「ラジオマンガ」と「あなたまかせ」

2009年4月27日(月) 7:05:58

昨日書いた「たむたむたいむ」の話題をぼんやり考えているうちに、ふと中山千夏の深夜放送を思い出した。

TBSの深夜放送だと思うのだけど、日曜深夜に「ラジオマンガ」という傑作ラジオドラマがあった。
これ、面白かったなぁ。水森亜土や野沢那智中心に、名作古典を異様にデフォルメして、かなーりエッチにして、テンポ良くまとめていた。達者な声優たちがイキイキと悪ふざけしている感じが伝わってきた名作だと思う。いま聞いてもきっとかなりの名作揃い。再放送してほしいくらいである。

覚えているタイトルは「アレクサンドル・デュマ原作」(と、野沢那智が語る口調まで覚えている)の「三銃士」を元にした「片目のダルタニアン」とか、「モンテクリスト伯」を元にした「脱獄ロマン 走れダンテス」、「嗚呼、センチメンタルトマホーク」「竜馬の胸に赤いバラ」など。「走れダンテス」なんて、エッチな場面のシチュエーションまで覚えているぞ。ものすごくときめいたあの感覚と一緒に思い出せる。エッチと言っても明るく笑える演出なんだけど、ボクにとっては鶴光の「ミッドナイトストーリー」と双璧の存在(笑)。誰か録音してないかなぁ…。

あ、そうそう、中山千夏の話だった。
で、たしかこの番組の直後だったと思うけど、「中山千夏と佐藤允彦の『あなたまかせ』」という番組をやっていたのである。1時からだったか2時からだったか。この番組が終わるとTBSは放送終了。サーーというノイズに変わったような(違ったかな)。だからこれが終わると世界から置いて行かれた気がしたっけ。

この「あなたまかせ」、彼ら(ふたりは夫婦だった)のオリジナル曲をライブで歌って、その合間にトークする(ゲストあり)、みたいな地味で静かな番組だったけど、なぜかかなり好きで、孤独な長い夜、ベッドでじぃっと聴いていた。「ブラッドベリの十月はたそがれの国」とか「十三階段」とか、彼らのオリジナル曲はいまでも少し歌える。30年以上前にラジオで聴いただけの歌がまだ脳味噌にいきいきと流れている不思議。

ちなみにブラッドベリのことはこの番組で知り、「10月はたそがれの国」を神田の古本屋で買って読んだのを覚えている。で、その後「とうに夜半を過ぎて」という彼の大名作短編集(でもマイナー)に行き着いてブラッドベリに耽溺していくのだけど、それはまた別のお話。

で、そんなことを思いつつ、あの頃って中学生?それとも高校生だったっけ?と考えつつ、ふと「中三の娘もそういう年代なのだ」と気がついた次第。あぁ、キミはもう「あの頃」なのか…。

「たむたむたいむ」のオフ会に参加した人が「娘に『昔好きだった深夜放送のDJに会ってくる』と言ったら不思議な顔をされました」と話していた。親にそんな青春時代があったことなんて、子供から見たら想像を超えるだろうなぁ。でも親から見ても「子供が自分たちがああだった時代に今いること」なんて意外と実感できない。だってねぇ、「あの頃」ってもう精神的には立派な大人だったよ(疑似体験的にだけど)。赤ちゃんのときからずっと見ているせいか、キミがその地点に今いるなんて、なんだかうまく実感できないんだよ。でも大人たちは、一度通ってきた分、わかってやらないといけないんだろうね。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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