ロックの学園

2009年3月23日(月) 7:50:10

「ロックの学園」に行ってきた。

2007年11月に引き続いて2回目の開催。前回の様子はBS-hiでも流れた(再放送を含めて2回も。今年は4/27~29に流れる)。
サイトを見ていただければわかるとおり、体育館を利用したライブや教室を利用したライブ、教室を利用した「ロックの授業」や展示など、まるで学園祭に遊びに来たような楽しさと手作り感に溢れていた。校長室には校長である忌野清志郎グッズの数々、中庭には屋台も並び、廊下や玄関でも随時ライブが行われていた。大人たちが真剣に企画した学園祭。大きく真剣なシャレ。真剣に遊ぶとこんなに楽しいってことの見本。素晴らしい空間。

会場は三浦半島三崎高校。廃校となったその高校の校舎や体育館、中庭などをフルに活用しての開催である。
この三崎高校、ボクたちが2004年12月に「スラムダンク一億冊感謝イベント」をやった場所である(その模様は「明日の広告」にくわしく書いた)。1年半前、主催者側の方に「確実に、あの記憶が起点のひとつとなって、この度、同じ三崎高校を会場とするロックフェスを開催することとなりました」とメールをいただいたので、スラムダンクのあのイベントの空気がどこかに漂っていると感じられたのもあながち間違ってはいない。あの奇跡の時間からの細く力強い糸が確かに繋がっている。ボクにしかわからない感覚かもしれないけど、なんだかとてもうれしかった。

この校舎、隅から隅まで知ってるな、と、あらためて。
あのイベントの時、たった9人で校舎の掃除から始めたからね。とにかく懐かしい。そしてなんだか愛おしい。あの時と来場者も違うし、コンセプトも違うのだけど、通底している精神は一緒。いいなぁ。なんだかシアワセになった。昨日もおとといも来れば良かった。ここに座っているだけでシアワセになれたのに。

ボクにとっては無名なグループが(でもその筋では有名っぽいグループが)いろんな場所でライブしている。それをひとつひとつ丁寧に聴いていってみる。ロックといっても案外アコースティックで親密なものも多い。これがイマなのだな。歌は時代を映す。マイナーなものも含めて、たくさんイマに触れられて良かった。

3日間の学園の大トリは、スガシカオの体育館ライブ。日曜18時から。
いやぁ高校の体育館という狭い空間でのライブ、楽しかった! 席は200席ほどで、その後ろに大きく立ち見席。全部で500人ほど入っていただろうか。スガシカオも「控え室が教室なんだよー。なんだか興奮したね。好きな子の笛を探したりしちゃうそうだった」とか話し、会場からは「センセー!」と声が飛び(一応学園の教諭という設定)、なんだかとても親密な雰囲気。学校空間ってその場全員の共有体験だから、最初から全員が場馴れしていて、とても空気が温かい。いいライブだなぁ。これも高校という空間のマジック。

1時間ぴったし、大ノリでやって終了。楽しかった。土曜の斉藤和義も見たかったなぁ。というか、廃校という箱はもっと他にも活用できるなぁと思った。来場者みんなが懐かしく思い、あの頃のことを思って温かい気持ちになり、そして場馴れしている。そんな空間でのイベントは無限の可能性がある。

ロック・フェスってフジロックをはじめいろいろあるけど、このフェスは「学園」って捉え方がいい。
校則に代表されるような「学園」と、その対極にあるはずの「ロック」を結びつけたところに、日本独特の草の根ロックの息吹が感じられる。そして、若いグループが中心なのに忌野清志郎校長とか鮎川誠とかの大御所に対するリスペクトがそこここで感じられたのもいい。こういういい意味での「ぬるさ」って日本っぽくて良いと思う。楽しかった。主催者側の方々、お疲れ様でした。そしてありがとうございました。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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