三月大歌舞伎「元禄忠臣蔵」

2009年3月 3日(火) 8:23:11

歌舞伎座さよなら公演「元禄忠臣蔵」の初日を観てきた。
さよなら公演といっても、延々とあと1年は続く。でもさよなら公演と銘打つだけあって出演者が豪華(値段も豪華だけど)。この「元禄忠臣蔵」も大石内蔵助を市川團十郎、片岡仁左衛門、松本幸四郎の三人が演じてくれている。なんともお得な感じである。

観に行ったのは夜の部。「南部坂雪の別れ」と「仙石屋敷」と「大石最後の一日」の三編。

「南部坂雪の別れ」は團十郎が大石内蔵助。瑤泉院を中村芝翫。羽倉斎宮を片岡我當。
「仮名手本忠臣蔵」に比べて全体に動きがとても少なく台詞回しばかりが多い「元禄忠臣蔵」ではあるが、この編は内蔵助の台詞も少なく、團十郎の見せ場も少なかった。内蔵助と瑤泉院の別れの場面は美しかったが、全体に平板な舞台。

「仙石屋敷」は仁左衛門が大石内蔵助。仙石伯耆守に中村梅玉。磯谷十郎左衛門に市川染五郎。
ボクは仁左衛門が一番好き。吉右衛門とどっちが好きか迷うけど、んーと迷った挙げ句やっぱり仁左衛門。この編は内蔵助の台詞が多く、見せ場もたっぷり(相変わらず動きは少ないけど)。あー惚れ惚れした。もっと長く仁左衛門の内蔵助を観たかったな。梅玉は初日のせいかまだ台詞がこなれておらず、言い淀みも数回あってちょっと残念。

「大石最後の一日」は幸四郎が大石内蔵助。おみのに中村福助。堀内伝右衛門に中村歌六。磯谷十郎左衛門に市川染五郎。
歌舞伎における松本幸四郎がどうにも苦手なボクであったが(舞台やドラマでは好き)、この内蔵助はとても良かった。あの暗い感じが「最後の一日」にうまくはまっていた。もともとこの「元禄忠臣蔵」はこの「大石最後の一日」が初演された後、大好評につきリクエストされ、あと9編を付け加えて完成したもの。つまり元々の一編であるだけに完成度も高い。見せ場も多く引き込まれた。幸四郎、うまいな。ただ福助のおみのはちょっとブリッコ気味でTOO MUCHだった。ひいた。

席が舞台に近かった(二階東桟敷舞台袖)のもあって、黒子がセリフを読み上げる声が丸聞こえ(稽古が足りない役者はそれを聞きながらしゃべる)。初日だからかな。ただ、さすがに仁左衛門、幸四郎のおふたりは黒子に頼らず朗々と語っていた(團十郎は一部頼っていた)。圧倒的にうまい。やっぱり看板役者なだけはある。

幕間では名物のオリエンタル・カレーを。懐かしい味でうまいよなぁ。このカレーも歌舞伎座改築(改悪築)とともに消えてしまうのかな。新しい歌舞伎座に変にマーケティングされた飲食店が入らないことを願う。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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