満員劇場御礼座2008「踊る職員室」

2008年12月15日(月) 6:30:39

ということで、土曜に観た満員劇場御礼座「踊る職員室」の感想を。

ここ数年続いたオムニバス形式ではなく、2時間の長編もの。長編は「とりあえず、披露宴」以来かな。いや「不思議の国の田中」以来か。長編と言えば「弁護士 便剛史郎」とかも思い出される。おもろかったなぁ。「すちゃらか社員」や「係長・係長太郎」も。つまり最近は短編にチカラを入れていたが(その方が稽古がしやすいという事情もあろう←全員現役サラリーマンなので集まりにくい)、元々は長編が面白かった劇団なのだ。

脚本はあべの金欠(←ライス兄弟のライスたけおと同人物)。
2006年と2008年の公演「それは秘密です」の中に「献血記念日」という短編があるのだが、確か彼はこれを書いたヒト。この「献血記念日」って短いながらもとてもよく出来ていて、ストーリーの絡み合い方と結び方がとても上手だった。その時「あぁこのヒトは長編もきっと書けるなぁ」と思っていたのだが、今回の脚本もストーリーの絡み合い方のバランスがとてもよく、なかなかよく出来ていたと思う。まぁ敢えて言うなら直接ストーリーには関係ない大笑いエピソードみたいのが突発破綻的に入っていたりすると深みが出たかも。

満劇の短編は一発ギャグに近い部分もあり、いつも大笑いさせてくれるのだが、長編はそれだけではもたない。そういう意味で今回はいつもの満劇のような大笑いはなかったが、こなれた脚本と演出でクスクス笑わせてくれた感じ。サラリーマンによるアマチュア劇団だが、演技もみんななかなかうまくなってきて安心して観ていられる(途中何度かミスがあり、知り合いだけに心臓が止まりそうになったが)。しかしこんだけよく稽古したなぁ。尊敬してしまう。だってみんな相当激務の人たちだよ。

ボクは特に淀川フーヨーハイ(教頭役)のファンなので、彼の出番が多くてうれしかった。もともと主役をやっていたヒトだけど、最近は脇役にまわっていたのだ。彼はあんな情けない役をやっているが、本業ではクリエーター・オブ・ザ・イヤーを取ったほどのスター広告マン。まったくそんな気配を感じさせないところがスゴイ。でも彼の「ダジャレが逆上的に加速していく」という持ち芸が今回は出なかったのが残念。あれ、好きなんだけどな。

ちゅうことで、ボクはわりと好きでした。
爆発力はないけどほんわかしていてちょっと温かい気持ちになれる。不況のいま、こんな何でもないコメディが一番ホッとする。いい劇をありがとうございました。

あ、それと、会場で話しかけてくれた読者の方もどうもありがとうございました。長くお話しできなくてすいません。

同じく土曜に観たボリショイの「白鳥の湖」の感想は、明日。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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