岸勇希著「コミュニケーションをデザインするための本」
2008年9月 4日(木) 8:16:57
ボクも一応コミュニケーション・デザイナーを名乗っているのだけど、ずっと若い(20歳くらい若い)彼の方がこの分野では先達だと思っている。先達リスペクト。なにしろもうコミュニケーション・デザインが服を着て歩いているような男なのだ。日本にはまだ数人しか本当のコミュニケーション・デザイナーはいないと思うが、彼は確実にその先頭を走っている。
そんな彼が書いた本だ。この分野の「決定版」と言える。草稿の頃から読ませてもらっているが、解説の丁寧さ、事例の豊富さ、想いの熱さなど、図抜けている。広告への情熱や未来への展望もひしひし伝わってくる。広告を生業としている方なら必読だ。生業としていなくても、広告の最先端にワクワクしたい方は是非。
ちなみに、後輩の本だからってオススメしているのではない。それなりにこの分野をよく知り、日々悩み苦しんでいる人間として、どう考えても「決定版」としか思えないからオススメしている。
ボクの本「明日の広告」との違いは、ボクの本は入門・基本編で、この分野を知らない人、広告業界自体を知らない人にもわかるように書いたつもり。それに対して彼の本は実践・応用編で、じゃあ実際にどうすればいいのか、がくわしく豊かに書き込んである。同じ部だけあって論旨展開はほぼ一緒であるが、より現場的に役立つのは彼の本だと思う。
まぁ敢えて言うなら、ボクの本を先に読まれてからこの本を読まれるとより理解が深まる、とアピールしておこうかな(笑)。ボクの本をすでに読んでくださった方なら、あの本の趣旨を実際の仕事に落とし込んだらこうなるんだ、というのが、豊富な事例とともにわかると思う。
というか、この2冊を読まれてしまうと、我々の部の手口がほとんど白日の下に照らされることになってしまうので、競合上ちょっと困るかも、というのも本音。まぁ本に書いた内容は書いた瞬間に古くなるので、知られても大丈夫なのだけど。うちのグループには本こそ書いてはいないが舌を巻くくらい優秀なコミュニケーション・デザイナーが他にも何人もいて、日々新しいことやっているし。
ちなみに、専門書なのでいままでご紹介してこなかったが、一緒に働いている螺澤裕次郎くんが共著で書いた「Webキャンペーンのしかけ方」、同じく一緒に働いている中村洋基くんが共著で書いた「Webデザインの『プロだから考えること』」もよい機会なのでご紹介。専門書なのですべての人にはオススメできないが、2冊ともとても参考になる良書だと思う。

